来週の金融市場見通し(2024年10月28日~2024年11月1日)

■来週の見通し

米大統領選挙をめぐり、共和党候補のトランプ前大統領がやや優位との見方から、米長期金利が上昇するなどトランプ・トレードが広がっています。他方、27日の衆院選では、自公が過半数割れとなった場合には、市場が不安定な動きになる可能性があります。逆に過半数維持なら安心感が広がることも想定されます。衆院選の結果次第となりそうですが、米大統領選を控え、徐々に様子見姿勢が広がる可能性があります。日銀会合は据え置き見通しですが、円安を受けての植田日銀総裁の発言も確認したいところです。

◆株価 :値動きが激しい展開か

来週は、27日の衆院選の結果を受けて、激しい値動きになるとみられます。与党が過半数を割れることになると、石破内閣の退陣や自公以外の政党の連立政権入りの可能性があり、政治の不透明感の高まりから、株価を下押しすることが予想されます。一方、与党が過半数を上回ると、政治が安定するとの期待から、株式市場は好感しそうです。日銀の金融政策決定会合や7-9月期の国内外の企業決算発表も、相場を動かすとみられます。

◆長期金利 :衆院選の結果次第か

長期金利は、米利下げペースが緩やかになるとの見方や、米大統領選で財政拡張的な政策を掲げるトランプ氏が勝利すればインフレが再加速するとの思わくから、米金利とともに、一旦上昇しました。ただ、その後は米金利の上昇一服を受け、低下する動きになりました。衆院選で与党苦戦なら、日銀の利上げが後ずれするとの観測から、国内金利の上昇を抑制する可能性があります。その後は日銀会合や米大統領選待ちとなりそうです。

◆為替:方向感乏しい

ドル円は、方向感の乏しい動きが想定されます。米景気は堅調な状況にある一方、日銀は早期利上げに慎重な姿勢とみられます。ドル円の底堅い地合いは継続しそうですが、来週後半に9月の米個人消費支出、10月の雇用統計などの重要指標の発表を控え、しばらくは様子見姿勢が広がりそうです。しかし米大統領選でトランプ前大統領がやや優位との見方が伝わる中、両指標が堅調な米景気を示唆した場合、ドル円は上昇基調を強める可能性もあります。

◆Jリート :上下に振れる展開か

来週のJリート市場は、日米長期金利の動向や27日投開票の衆院選の結果次第で値動きの激しい展開となることが想定されます。衆院選終盤の情勢分析では与党過半数割れの可能性もあり、その場合、政治の不安定化が市場に影響を与えることが見込まれ、Jリート市場は当面外部環境に振らされる状況が継続することが想定されます。下値ではJリートを拾う動きも見込まれることから、下落幅は限定的になると見込まれます。

来週の注目点

完全失業率、有効求人倍率(9月) 10月29日(火)発表

8月の労働力調査では、完全失業率が2.5%と前月から0.2%ポイント低下しました。失業者数は前月から減少し、就業者数、雇用者数はともに過去最高を更新しました。

9月の完全失業率は横ばい圏での推移が見込まれます。コロナ後は女性の労働参加が一段と進展していますが、人手不足の深刻化を背景に企業の採用意欲は堅調であるため、底堅い雇用環境が続くと予想されます。

米雇用統計(10月) 11月1日(金)発表

9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月差25万4,000人増と、市場予想を大幅に上回りました。失業率は4.1%と前月(4.2%)から低下しました。また、平均時給は前月比0.4%、前年比4.0%増加となりました。

10月の非農業部門雇用者数は前月差12万5,000人増程度、失業率は4.1%程度、平均時給は前月比0.3%増程度を想定しています。米国の雇用環境は底堅さを維持するとみられますが、ハリケーンの被害や一部企業でのストライキによる悪影響が生じる可能性には留意が必要です。

 

 

 

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