来週の金融市場見通し(2024年10月21日~2024年10月25日)

■来週の見通し

米国の経済指標が景気の底堅さやインフレの鈍化を示し、経済がソフトランディングできるとの見方が強まる中、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は、来年にかけて緩やかに政策金利を引き下げていく考えを示しました。他方、日銀の安達審議委員は、物価の先行き不透明感に注意しながらも、緩和的な金融環境を維持しつつ、極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていくとの考えを示しました。来週は経済指標などを確認しつつも、27日投開票の衆院選を控え、様子見姿勢が広がることも想定されます。

◆株価 :様子見姿勢が広がる

来週は、27日に予定されている衆院選や月末の日銀金融政策決定会合を控え、投資家の様子見姿勢が広がることが予想されます。重要なイベントを控え、積極的に株式を買う動きは限定的になるとみられ、上値の重い動きとなりそうです。ただ、為替が円安水準で推移していることや事業法人による自社株買いとみられる資金流入が高水準で継続していることは好材料です。本格化する国内企業の7-9月期の決算発表の内容も注目されます。

◆長期金利 :もみ合いか

連合が2025年の春闘で賃上げ目標を5%以上とする方針を固めたと報じられ、高い賃上げが実現すれば、インフレ圧力がかかるとして、日銀の追加利上げ観測が高まりました。加えて、米長期金利が米小売売上高などの底堅い経済指標を受けて、低下幅を縮小したことなどから、国内の長期金利は上昇する動きになりました。ただ、来週は衆院選を控え、動きにくい状況が続く可能性があります。20年国債入札も確認したいところです。

◆為替:底堅い

ドル円は、底堅い展開が見込まれます。米小売売上高が市場予想を上回るなど、米景気は堅調な状況にある一方、日銀は早期利上げに慎重な姿勢を維持しており、ドル円の底堅い地合いは継続しそうです。とはいえ、年内あと2回程度の米利下げ観測が残る中、米長期金利の上昇余地は限定的とみられ、ドル円の上値余地も限られそうです。月末の日銀金融政策決定会合では、現状維持が見込まれていることもあり、様子見姿勢が広がる可能性があります。

◆Jリート :上値は重いか

来週のJリート市場は、日米長期金利の上昇が引き続き上値を抑えそうです。日銀が利上げを継続する姿勢を示しているほか、底堅い経済を背景に米国の大幅利下げ観測も後退しています。27日投開票の衆院選の報道各社の情勢分析では、自民党は苦戦するものの与党で過半数を確保できる見通しで、大きな波乱とはならない見込みです。下値でJリートを拾う動きも見込まれることから、下値も限定的になると見込まれます。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(10月) 10月25日(金)発表

9月の東京都区部・コア消費者物価指数(コアCPI、生鮮食品を除く総合)は前年比2.0%上昇と前月(同2.4%上昇)から伸びが鈍化しました。9月から政府による電気・ガス代の負担軽減策が再開したことで、エネルギー価格が大幅に抑制されました。

10月のコアCPIは伸びが縮小すると見込まれます。既往の原油安などを背景にエネルギー価格の減速が続くと予想されます。また、10月に価格改定されやすいサービス品目の動向にも注意が必要です。

ユーロ圏製造業PMI(10月、速報値) 10月24日(木)発表

9月のユーロ圏製造業購買担当者景況指数(PMI)は45.0と、好不調の境目となる50を下回る状況が続いています。中国経済の減速や自動車産業の競争力低下などを受けて、ドイツを中心に景況感の改善が足踏みしています。

10月の製造業PMIも低迷が続くと見込まれます。欧州中央銀行(ECB)の利下げによる内需の押し上げ効果が期待されますが、中国経済の回復には時間を要するとみられることなどから、製造業の調整局面は長引く可能性があります。

 

 

 

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