来週の金融市場見通し(2024年10月14日~2024年10月18日)
■来週の見通し
9月の米雇用統計が労働市場の堅固さを映したことで米景気のソフトランディング(軟着陸)期待が高まり、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退しています。9月の米消費者物価指数(CPI)は上振れましたが、利下げ継続、かつ景気後退局面回避との見方は変わらなかった模様です。他方、日銀の氷見野副総裁は金融政策の正常化に向かっているとの姿勢を示しました。来週は、全国消費者物価指数(CPI)に加え、米大手金融機関の決算なども確認しながら、方向感を探ることになりそうです。
◆株価 :半導体企業の決算に注目
来週は、半導体大手のASMLやTSMCの 7-9 月期決算発表が注目されます。これらに加えて、米大手金融機関の決算発表も予定されており、決算内容を受けて、株価が変動することが予想されます。海外投資家は、東証プライム市場において、先週、7週間ぶりに買い越しとなりました。事業法人による資金流入も継続しており、良好な需給は株価を支えるとみられます。ただ、内外の金利が一段と上昇すると、株価の上値を抑える可能性があります。
◆長期金利 :一段の上昇は限定的か
FRBによる大幅利下げ観測が後退し、米長期金利が上昇していることに加え、日銀の氷見野副総裁がやや(金融引締めに前向きな)タカ派的な姿勢を示したことなどから、国内の長期金利も上昇する動きになりました。もっとも、日銀の追加利上げペースは緩やかになると見込まれること、また米長期金利もFRBの緩やかな利下げペースを織り込んできていることから、国内金利の一段の上昇は限定的とみられます。
◆為替: 底堅い地合いの中、方向感乏しい
ドル円は、米長期金利が 4.0%台に乗せていることに加え、日銀の年内の追加利上げ観測が後退していることから、底堅い展開が見込まれます。とはいえ、9月の米CPIが市場予想比で上振れたものの、年内あと2回の米利下げ観測に大きな変化はなく、米長期金利の上昇余地は限定的とみられます。それを受け、ドル円の上値余地も限定的となりそうです。来週は、9月の米小売売上高の結果をにらみながら、方向感の乏しい展開が想定されます。
◆Jリート :上値は重いか
来週の J リート市場は、上値の重い展開が想定されます。石破首相が早期利上げに慎重な姿勢を示している一方、日銀副総裁からは追加利上げに前向きな姿勢が示されたほか、米国の大幅利下げ観測が後退し、日米長期金利が上昇していることが J リートの上値を抑えそうです。ただし、東証リート指数(配当なし)1,700 ポイント付近では、下値を拾う買い需要も見込まれることから、そこで踏みとどまれるか注目したいところです。
■来週の注目点
全国・消費者物価指数(9月) 10月18日(金) 発表
8月の全国・コア消費者物価指数(コアCPI、生鮮食品を除く総合)は前年比2.8%上昇と、前月(同2.7%)から伸びが加速しました。エネルギー価格の高めの伸びが続いたほか、需給がひっ迫した米類を中心に食料品価格の伸びが拡大しました。
9月のコアCPIは伸びが縮小することが予想されます。一時的に終了していた政府による電気・ガス代の補助が9月(8月使用分)から再開されることで、エネルギー価格が押し下げられる見込みです。
米小売売上高(9月) 10月17日(木) 発表
8月の米小売売上高は、前月比0.1%と小幅に増加しました。市場予想を上回り、財消費の底堅さが確認されました。
9 月の米小売売上高は、前月比+0.3%と緩やかな増加が続くと見込まれます。高金利を背景とする借り入れコストの高止まりが個人消費の逆風となっていますが、労働市場の減速ペースが緩やかであるため、大幅な落ち込みは避けられるとみられます。
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