来週の金融市場見通し(2024年10月7日~2024年10月11日)

■来週の見通し

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、利下げを急ぐような状態ではないとの考えを示したことを受け、11月会合での大幅利下げ観測が後退しています。他方、植田日銀総裁が追加利上げを慎重に判断していく姿勢を示したことに続き、タカ派とみられていた石破首相が早期の追加利上げに否定的な見解を示しました。来週はイスラエルとイランの紛争の拡大への警戒感が強まる中、4日の米雇用統計を受けた米金融市場の動向や内外の経済指標、また中東情勢なども確認しながら方向感を探ることになりそうです。

◆株価 :上値の重い展開か

海外投資家は、東証プライム市場において、先週まで6週間連続で売り越しました。日銀の金融政策の見通しや日米の政治動向の不透明感などが背景にあるとみられます。今月末に衆院選が控えているほか、11月上旬に米大統領選が予定されており、海外投資家が積極的に日本株を買うことは期待しづらく、来週は上値の重い展開が予想されます。7日の株式市場は、今週末の米雇用統計を受けて、値動きの激しい展開となる可能性があり、警戒が必要です。

◆長期金利 :居所を探る

長期金利は、イスラエルとイランをめぐる中東情勢の緊張の高まりで投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産とされる国債に買いが集まったことや、日銀は追加利上げに慎重との見方などから、一時0.815%まで低下しました。ただ、週末は米金利の上昇などを受け、国内の長期金利も上昇する動きになりました。来週は米金利の動向や中東情勢に加え、30年国債、5年国債入札などを確認しながら、居所を探ることになりそうです。

◆為替:雇用統計次第で波乱も

ドル円は、上値は限定的とみられるものの、底堅い展開が見込まれます。年内あと2回の米利下げ観測が強い中、米長期金利の上昇余地は限定的とみられます。他方、日銀の年内の追加利上げ観測が後退していることに加え、中東情勢の混迷が深まっており、逃避需要のドル買いの勢いは持続しそうです。そのような環境下、ドル円は、上値は重いものの底堅い動きが想定されます。ただ、9月の米雇用統計の結果次第では、変動性が高まる可能性があります。

◆Jリート :上値を探る

来週のJリート市場は、上値を探る展開が想定されます。金融政策の正常化に前向きと見られていた石破新首相が「現在は追加利上げをする環境にない」と早期利上げに慎重な姿勢を示したほか、植田日銀総裁も追加利上げの判断に時間的な余裕はあるとの見解を示したことから、Jリート市場は上昇することが見込まれます。ただし、米雇用統計や中東情勢次第ではリスクオフの動きが強まる可能性もあり、注意が必要です。

来週の注目点

毎月勤労統計調査(8月) 10月8日(火) 8時30分発表

7月の毎月勤労統計調査では、実質賃金(共通事業所ベース)が前年比+1.5%と2か月連続で増加しました。春闘の結果の適用拡大などを背景に、所定内給与の伸びが拡大したほか、夏季賞与が含まれる特別給与の上振れが続きました。

8月は、実質賃金がマイナスに転じると見込まれます。多くの企業での夏季賞与の支給時期は7月以前であることから、夏季賞与の増加による押し上げ効果がはく落するとみられます。

 

米消費者物価指数(9月) 10月10日(木) 21時30分発表

8月の米国の消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前年比2.5%、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は同3.2%上昇し、ともに市場予想通りの結果でした。

9月のCPIは、総合指数が前年比2.3%、コア指数が同3.2%程度の上昇が予想されます。米連邦準備理事会(FRB)による既往の金融引き締めを背景に、幅広い品目でインフレが鈍化すると見込まれますが、足元で高止まりつつある家賃の動向が注目されます。

 

 

 

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