来週の金融市場見通し(2024年9月23日~2024年9月27日)

■来週の見通し

米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の誘導目標を0.5%引き下げました。物価上昇が落ち着く中、景気や雇用の下振れを回避するために大幅利下げを決めた模様です。年内残り2回の会合で計 0.5%の利下げ方針が示されましたが、市場の一部ではより大幅な利下げへの期待もくすぶります。他方、日銀は金融政策の現状維持を決めました。来週は、FRB高官の発言に加え、内外の経済指標なども確認しながら、日米金融政策会合後の方向感を探ることになりそうです。

◆株価 :底堅い展開か

FOMCでは、0.5%の大幅な利下げが決まりました。来週の株価は、政策金利の引き下げが、米経済を支えるとの期待感が支えとなり、底堅い展開となりそうです。事業法人による自社株買いとみられる資金流入が高水準で継続していることも好材料です。ただ、日銀の植田総裁による金融政策決定会合後の記者会見を受けて円高が進行すると、市場は嫌気し、週明けの株式市場は下落して始まる可能性があり、警戒が必要です。

◆長期金利 :一進一退

米長期金利が、8月の米小売売上高が市場予想を上回ったことや、今後の米利下げペースが緩やかになるとの見方などから上昇したことを受け、国内の長期金利も上昇する動きになりました。日銀金融政策決定会合は現状維持で影響は限定的でした。米利下げが意識されるものの、利下げペースが緩やかになると見込まれることや、日銀が利上げに慎重な姿勢を示す中、米金利をにらみながらの一進一退の動きが続く可能性があります。

◆為替:方向感乏しい

ドル円は、方向感の乏しい展開が見込まれます。9月のFOMCで0.5%の大幅利下げが実施されたものの、パウエルFRB議長は、インフレが依然、幾分高い水準にあるとし、今後の緩和は急がないと発言しました。それを受け、ドル円の下落余地は限定的とみられる一方、年内あと2回程度の利下げ観測が根強い中、米長期金利の上昇余地も乏しく、ドル円の上値余地もまた限られそうです。9月の米雇用統計発表までは動きづらい展開となりそうです。

◆Jリート :方向性を探る

来週のJリート市場は、日銀金融政策決定会合を通過し方向性を探る展開が見込まれます。米国では0.5%の大幅利下げが決定され、今後も金融緩和的な政策が継続される見通しであることは支援材料です。ただし、日銀の追加利上げをめぐるスタンスや、27日開票の自民党総裁選の結果が金融市場に与える影響について見定める必要があります。とはいえ、リート市場は下落した場合でも、下値については限定的になりそうです。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(9月) 9月27日(金) 8時30分発表

8月の東京都区部・コア消費者物価指数(コアCPI、生鮮食品を除く総合)は前年比2.4%と前月(同2.2%)から伸びが加速しました。需給がひっ迫した米類を中心に食料品価格が大幅に上昇したほか、既往の円安の影響でエネルギーや耐久財の価格の伸びが拡大しました。

9月のコアCPIは伸びが縮小すると見込まれます。一時的に終了していた政府による電気・ガス代の補助が9月(8月使用分)から再開されることで、エネルギー価格の伸びが縮小することが予想されます。

 

米個人所得・個人消費支出(8月) 9月27日(金) 21時30分発表

7月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.5%と増加しました。また、総合価格指数は前年比2.5%、食料とエネルギーを除くコア価格指数は同2.6%と前月から伸びが横ばいになりました。

8月のPCEは前月比0.3%増程度、総合価格指数は前年比2.3%程度、コア価格指数は同2.7%程度の伸びが想定されます。借り入れコストの高止まりや労働市場の減速などが個人消費の逆風となることで、インフレ圧力は緩やかに落ち着くとみられます。

 

 

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