来週の金融市場見通し(2024年8月5日~2024年8月9日)

2024/08/02

■来週の見通し

日銀は、金融政策決定会合で国債買入れ減額の具体的な計画を決めるとともに、政策金利を0~0.1%程度から0.25%程度に引き上げました。一方、米連邦準備理事会(FRB)は8会合連続で政策金利を据え置きました。ただ、パウエルFRB議長が9月利下げ開始の可能性を示唆し、日米の金融政策の方向性の違いが明確になりました。来週は、2日の米雇用統計を受けた米金融市場の動きに加え、内外の経済指標や佳境を迎える国内企業の決算発表なども確認しながら、方向感を探ることになりそうです。

◆株価 :持ち直す展開か

今週の株価は、米経済の減速懸念が高まったことや円高が重しとなり、急落しました。今週は米国のハイテク企業決算や日米の金融政策に関する会合があり、投資家の不安心理が高まったことも株価を押し下げました。来週は、重要なイベントを通過した安心感から株価は持ち直すことが予想されます。新しい少額投資非課税制度を活用した個人投資家の買いや自社株買いなどによる事業法人の買いが継続していることも、株価を支えそうです。

◆長期金利 :居所を探る

日銀は国債買入れ減額の具体的な計画とともに、追加利上げを決定しました。利上げについての事前報道なども手伝い、長期金利は一旦上昇しましたが、米景気の減速懸念から米金利が低下したほか、日本株の急落を受け、リスク回避から国債を買う動きが優勢になり、1.0%を下回る動きになりました。しばらくは、米金利や不安定な株式市場をにらみながら、居所を探る動きが続きそうです。10年国債入札も確認したいところです。

◆為替:上値重い

ドル円は上値の重い展開となりそうです。米インフレ圧力が後退する中、パウエルFRB議長が9月の利下げの可能性に言及したことで、米長期金利は4.0%割れまで低下しています。日米金利差は急激に縮小しており、ドル円の上値は重そうです。ただ、日米金利差は依然ドルの下支え要因であること、年内3回の利下げはすでに織込み済みとみられること、ここまでの下落が急であったことなどを踏まえると、現状水準からの急落の可能性は低そうです。

◆Jリート :下値目途を探る

来週のJリート市場は、下値の目途を探る展開となりそうです。7月の日銀金融政策決定会合で植田総裁がさらなる利上げについて言及したことから、今後も長期金利には上昇圧力がかかりやすい状況です。また、米国の景気減速懸念も強まってきており、マーケットのリスク回避的な動きにも警戒が必要です。次の下値の目途としては今年の3月に付けた年初来安値である1,657.57ポイントが意識される水準になると見込まれます。

来週の注目点

景気ウォッチャー調査(7月) 8月8日(木) 14時00分発表 

6月の景気ウォッチャー調査では、現状判断DI(ディフュージョン・インデックス)が前月差1.3ポイントと4か月ぶりの上昇となりました。原材料高を受けて企業動向関連DIは小幅に低下した一方、所得税の定額減税による消費喚起への期待やインバウンド需要の回復などを背景に家計動向関連DIが上昇しました。

7月の現状判断DIは改善が続くとみられます。株高を受けた資産効果や賃金上昇の動きの広がりが家計動向関連DIを押し上げると予想されます。

中国生産者物価、消費者物価(7月) 8月9日(金) 10時30分発表

6月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年比0.2%上昇と、前月から伸びが縮小しました。コアCPI(食品とエネルギーを除く総合)は同0.6%上昇と、ゼロ%台での推移が続いています。消費者の節約志向などを受けて、価格競争が激化しています。

7月のCPIも低位での推移が続く見込みです。厳しい雇用環境が続いているほか、消費者マインドも改善していないため、当面は家計の低価格志向が強まるとみられます。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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