来週の金融市場見通し(2024年7月22日~2024年7月26日)

■来週の見通し

銃撃事件を受け、トランプ前大統領が大統領選で優位に立っているとの見方が強まる中、市場ではトランプ氏が大統領になった場合の政策(貿易関税、移民政策、減税、規制緩和等)への思わくに振らされる動きが続いています。トランプ氏の政策はインフレ圧力を強める可能性がありますが、米連邦準備理事会(FRB)高官からは、利下げに前向きな発言が相次いでいます。来週は、トランプ氏の動向に加え、日米の企業決算、6月の米個人所得・個人消費支出なども確認しながら、方向感を探ることになりそうです。

◆株価 :底堅い展開か

今週の株価は、半導体関連銘柄を中心に売りが広がり下落しました。割高感が和らいだことを受けて、来週の株価は底堅い動きが予想されます。複数のFRB高官が利下げに前向きな発言をしたことで、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が高まっていることが株価を支えそうです。ただ、バイデン氏の大統領選挙の撤退観測が高まっており、実際に撤退が表明されると、米政治混迷への懸念から、株価が下振れる可能性があります。

◆長期金利 :神経質な動き

国内の長期金利は、米利下げ観測が強まり、米長期金利とともに一旦低下したものの、河野デジタル相が円安是正に向けて日銀に政策金利引き上げを求めたと伝わったことから、下げ幅を縮小しました。ただ、円高が一服していることに加え、景気に力強さが欠ける中で日銀は利上げに踏み切りにくいとの見方もくすぶります。月末に日銀会合を控え、米金利の動向や国債入札なども確認しながらの、やや神経質な動きが続きそうです。

◆為替:上値重い

ドル円は、上値の重い展開となりそうです。米インフレ圧力が後退する中、米長期金利は低下しており、日米実質金利差は徐々に縮小しています。また、日銀が先週2回にわたりドル売り介入を実施したとみられ、ドル円の上値余地は限られそうです。加えて、トランプ前大統領が、秋の大統領選での優勢が伝わる中、円安についての懸念を表明しました。そのような環境下、ドル円は一時155円台まで下落しており、来週も上値の重い展開が見込まれます。

◆Jリート :方向性を探る

来週のJリート市場は、方向感を見出しにくい展開が続きそうです。9月のFOMCでの利下げが見込まれる一方、月末の日銀会合では国債買い入れ減額の金額が決定される見込みで、国内長期金利には上昇圧力がかかりやすい環境です。国内外の金利動向の影響を受けつつ、割安感に着目した一定の買いも見込まれます。株式市場の急速な上昇に一服感が見られる中、株式からJリートへの一部資金シフトにも期待したいところです。

来週の注目点

企業向けサービス価格指数(6月) 7月25日(火) 8時50分発表 

5月の企業向けサービス価格指数は前年比2.5%上昇と高い伸びとなりました。内訳をみると、コストに占める人件費投入比率が高いサービス(専門・技術サービス、情報サービスなど)の価格が伸びを高めており、人件費の増加を価格に転嫁する動きが反映されているとみられます。

6月の企業向けサービス価格指数も高い伸びが続く見込みです。33年ぶりの高い伸びとなった春闘で妥結された賃上げ率を適用する動きが拡大するなど、賃金上昇に起因するインフレ圧力は強まっています。

米個人消費支出(6月) 7月26日(金) 21時30分発表

5月の米個人消費支出(PCE)は、前月比0.2%と小幅増加にとどまりました。また、PCE総合価格指数は前年比2.6%上昇、食料とエネルギーを除くPCEコア価格指数は同2.6%と、ともに前月から伸びが縮小しました。

6月のPCEは前月比0.3%増程度、総合価格指数は前年比2.5%程度、コア価格指数は同2.6%程度の伸びが想定されます。米連邦準備理事会(FRB)による金融引締めが個人消費の重しとなり、インフレ率は緩やかながら低下に向かいそうです。

 

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