来週の金融市場見通し(2024年7月15日~2024年7月19日)

■来週の見通し

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、「直近の物価指標はインフレ率の低下に向けた緩やかな前進を示している」と、今後インフレ率の低下を示す指標が続けば利下げを始めることができるという認識を示しました。また、米6月消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したことで利下げ期待が強まり、市場が織り込む9月の米利下げ確率は7割から9割に上昇しました。来週は、FRB高官の発言や企業決算に加え、全国・消費者物価指数(CPI)なども確認しながら方向感を探ることになりそうです。

◆株価 :利益確定売りに押される展開か

来週の株価は、7月に入り日経平均が1,500円以上上昇し、高値警戒感が強まっていることから、利益確定売りに押される展開が予想されます。18日の台湾半導体大手TSMCの決算が市場予想を下回ると、半導体関連銘柄を中心に売りが広がる可能性もあります。ただ、東証プライム市場において、海外投資家が2週連続で日本株を買い越しているほか、事業法人による自社株買いも増加していることから、株価の下落幅は限定的になるとみられます。

◆長期金利 :居所を探る

長期金利は、債券市場参加者会合を踏まえ、日銀が国債買入れを大幅に減らすとの思わくが広がり一旦上昇したものの、パウエルFRB議長の発言や米CPIが予想以上に鈍化したことを受けて米長期金利が低下したことから、低下する動きになりました。5年国債、20年国債入札が順調な結果になるなど良好な需給が続く中、米長期金利の動向に加え、消費者物価指数なども確認しながら、居所を探ることになりそうです。

◆為替:方向感見定めにくい

ドル円は、方向感の見定めにくい展開となりそうです。6月の米雇用統計が米労働市場の冷え込みを示唆する中、米CPIはインフレ圧力の低下を示しました。それを受け、米長期金利は低下しており、ドル円の上値は重そうです。また、日銀がドル売り介入を実施したとの見方もあります。とはいえ、依然、日米の金利差は大きく、ドル円を下支えするとみられることから、ドル円は当面、変動性の高い中、方向感の見定めにくい展開が見込まれます。

◆Jリート :上昇か

米長期金利が低下している一方、月末の日銀会合を警戒し、国内長期金利は1%を超える水準で推移しており、足元は方向感の見出しにくい環境です。引き続き金利上昇による下押し圧力と、割安感や分配金利回りに着目した買いの交錯が見込まれるものの、株式市場の急速な上昇に一服感が見られれば、Jリートの安値を拾う買いや、値上がりした株式からJリートへの資金シフトが一部で見られる可能性もあり、上昇しそうです。

来週の注目点

全国・消費者物価指数(6月) 7月19日(金) 8時30分発表 

5月の全国・コア消費者物価指数(コアCPI、生鮮食品を除く総合)は前年比2.5%と前月(同2.2%)から伸びが拡大しました。再生可能エネルギー発電促進賦課金の引き上げを受けた電気代の値上げがエネルギー価格を押し上げました。

6月のコアCPIの伸びはさらに拡大すると見込まれます。政府による電気・ガス代の負担軽減策が一時的に縮小されるため、エネルギー価格の上昇が続くとみられます。さらに、円安の進行によるインフレ圧力から、財品目で再び値上げの動きが広がるかという点も注視する必要があります。

米小売売上高(6月) 7月16日(火) 21時30分発表

5月の米小売売上高は、前月比0.1%と2ヵ月ぶりの増加となりましたが、市場予想を下回りました。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めなどを背景に、財消費が減速したことを示す内容でした。

6月の米小売売上高は、前月比-0.2%と減少に転じると想定しています。米国では、高金利を背景とする借り入れコストの高止まりやコロナ禍で積みあがった過剰貯蓄の枯渇が、個人消費の逆風となっています。

 

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