来週の金融市場見通し(2024年6月24日~2024年6月28日)

■来週の見通し

米連邦準備理事会(FRB)高官から年内 1 回の利下げを支持する発言が相次いでいますが、市場では9 月に利下げ開始、12 月に追加利下げとの観測がくすぶります。他方、日銀の早期利上げ観測はやや後退していますが、植田総裁は7月会合での利上げについて、経済・物価のデータ次第で十分あり得るとの認識を示しました。来週は、5月の米個人消費支出(PCE)物価指数に加え、バイデン大統領とトランプ前大統領のテレビ討論会も予定されるなど注目イベントを控え、様子見姿勢が強まることも想定されます。

◆株価 : フランス政治の混迷が重し

来週は、フランス政治の混迷などをきっかけに海外投資家が日本株に慎重な姿勢を強めていることが重しとなりそうです。フランスの下院議会選挙で極右政権が誕生し、財政が悪化するとの懸念が高まっており、欧州の海外投資家比率が高い日本株への売りが拡大することが懸念されます。ただ、国内企業の株主還元の動きが拡大していることや新しい少額投資非課税制度を活用した個人投資家の買付額が増加しており、下落幅は限定的となりそうです。

◆長期金利 :居所を探る

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、インフレ率を2%に戻すまで1~2年かかる可能性があると発言するなど、FRB高官からの利下げに慎重な発言を受け、米金利とともに国内金利も上昇する動きになりました。財務省が国債発行の年限の短期化や新たな変動利付債の導入を検討すると伝えられたことは、長期債、超長期債利回り上昇を抑制しそうです。米金利の動向や国債需給などを確認しながら居所を探る動きが続きそうです。

◆為替:上昇余地を模索 

ドル円は、堅調な展開が続きそうです。米インフレ圧力は緩やかながら低下しているとみられることから、年内1、2 回程度の利下げの可能性は高く、米長期金利の上昇余地は限定的とみられます。とはいえ、FRB高官から、タカ派発言が相次ぐ中、日米の金利差は引き続き強いドル買い要因になるとみられ、ドル円の堅調な地合いに変化はなさそうです。来週は、5月の米個人消費支出統計などをにらみながら上昇余地を探る展開が見込まれます。

◆Jリート :方向感を探る 

来週のJリート市場は、引き続き国内外の金利動向を注視しつつ、方向感を探る展開となりそうです。米国の長期金利は低下基調で推移しているものの、植田総裁が7 月の金融政策決定会合における追加利上げの可能性について「十分あり得る」と発言するなど、日銀の金融政策の引き締め方向に変化はありません。引き続き金利上昇による下押し圧力と、割安感や分配金利回りに着目した買いが交錯する展開が続きそうです。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(6 月) 6 月 28 日(金) 8 時 30 分発表

東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は 5 月に前年比 1.9%上昇と、4 月の同 1.6%上昇から伸びが加速しました。再生可能エネルギーの普及のため国が電気代に上乗せしている賦課金を引き上げた影響を受け、水道光熱費が同 4.7%上昇したことがコアCPIを押し上げました。

6月のコアCPIも、前年比 2%程度の上昇率が見込まれます。教養娯楽費の価格上昇などが物価を押し上げそうです。今後も当面、賃金の引上げに伴うサービス価格上昇の動きも踏まえれば、コアCPIの上昇率は 2%程度の水準で推移すると予想されます。

米個人消費支出(5 月)   6 月 28 日(金) 21 時 30 分発表

4 月の米個人消費支出(PCE)は、前月比 0.2%増と前月から伸びが減速しました。PCE総合価格指数は前年比 2.7%上昇となり、前月並みとなりました。また、食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数も同 2.8%の上昇と前月並みとなりました。

米連邦準備理事会(FRB)による利上げなどが個人消費の重しになるとみられますが、今後もインフレ率の低下は緩やかなものとなりそうです。5 月のPCEは前月比0.3%増程度、総合価格指数は前年比 2.6%程度、コア指数は同 2.6%程度の伸びが想定されます。 

 

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