来週の金融市場見通し(2023年9月25日~2023年9月29日)

■来週の見通し

米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の予想通り、政策金利が据え置かれましたが、年内にあと1回の追加利上げの余地を残すとともに、2024年の利下げ幅は前回予想から大きく縮小したことを受け、高水準の政策金利が長く続くことが意識されることになりました。他方、早期のマイナス金利解除などへの思わくがくすぶる中、日銀は金融緩和策の維持を決めました。来週は、9月の東京都区部消費者物価指数(CPI)や8月の米個人消費支出(PCE)価格指数などで内外の物価動向を確認したいところです。

◆株価 :底堅い展開か

日本株は、底堅い展開が見込まれます。日米の金融政策の会合を終え、イベント通過後の安心感による買戻しが優勢となりそうです。また、日本政府が大型の経済対策の実施を検討していることも株価を押し上げそうです。ただ、国内外の金利の上昇が継続していることは株価の重しとなりそうです。米政府機関の閉鎖の可能性が高まっていることも懸念されます。そうした中、来週発表の米国の消費や物価に関する経済指標が注目されます。

◆長期金利 :居所を探る

米連邦準備理事会(FRB)が高水準の政策金利をより長く維持するとの観測が強まり、米長期金利が約16年ぶりの水準まで上昇したことを受け、国内の長期金利も0.745%と2013年9月以来の高水準をつけました。早期のマイナス金利解除については、日銀の見解ではなく、あくまでも一般論との見方が広がると、長期金利の上昇も限定的になる可能性があります。2年国債、40年国債入札などで、投資家の需要も確認したいところです。

◆為替堅調推移

ドル円は、堅調な展開が続きそうです。9月のFOMCにおいて、利上げは見送られたものの、年内あと1回の利上げの可能性に加え、参加者の金利予測分布図では、高金利を長期にわたり維持するという強いメッセージが伝えられました。他方、日銀は金融政策の維持を決定しました。それを受け、来週もドル円は堅調な展開が想定されます。とはいえ、市場では日銀のドル売り介入への警戒感は根強く、一方的なドル円の上昇はなさそうです。

◆Jリート :金利の落ち着き待ち

東証REIT指数は、FOMCが想定以上に金融引締めに積極的なタカ派的だったことを受け、長期金利が上昇したことを嫌気して、売りに押される動きになりました。ただ、下値では押し目買いも入り、株式市場と比べて下げ幅は限定的でした。日銀が現行の金融緩和策を維持したことは安心材料です。日米の金融政策をめぐり、やや不安定な状況が続きそうですが、国内金利の動きが落ち着いてくると戻りを探る動きも出てきそうです。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(9月) 9月29日(金)午前8時半発表

東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は8月に前年比2.8%上昇と、7月の同3.0%上昇から伸びが鈍化しました。政府のエネルギー価格抑制策を受け、電気代が同22.3%下落したことがコアCPIを押し下げました。

9月のコアCPIも、前年比3%程度の上昇率が見込まれます。引き続き食料品の値上げなどがコアCPIの伸びに寄与する見通しです。今後も当面、賃金の引上げに伴うサービス価格上昇の動きも踏まえれば、コアCPIの上昇率は2%を上回る水準で推移すると予想されます。

米個人消費支出(8月) 9月29日(金) 午後9時30分発表

7月の米個人消費支出(PCE)は、前月比0.8%増となりました。また、PCE総合価格指数は前年比3.3%上昇となり、食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は同4.2%上昇となりました。個人消費は引き続き堅調な一方、米インフレの鈍化傾向は継続しました。

米国の個人消費は、今後も底堅く推移しそうですが、米連邦準備理事会(FRB)によるこれまでの大幅な利上げや貯蓄の減少が徐々に重しとなりそうです。8月のPCEは前月比0.4%増程度、総合価格指数は前年比3.5%程度、コア指数は同3.9%程度の伸びが想定されます。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
来週の金融市場の見通し、注目点を、コンパクトにまとめてお伝えします。
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会