来週の金融市場見通し(2023年6月12日~2023年6月16日)

2023/06/09

■来週の見通し

オーストラリア準備銀行(豪中央銀行)の2会合連続となる利上げに続き、カナダの中央銀行であるカナダ銀行も、3会合ぶりの利上げを決定しました。どちらも、予想外の利上げで、物価上昇圧力の根強さが改めて認識された格好です。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げを見送り、7月の会合で利上げを決定するとの見方が足元では大勢です。米消費者物価指数(CPI)などの発表に加え、欧州中央銀行(ECB)理事会、日銀金融政策決定会合も予定されており、気の抜けない相場が続きそうです。

◆株価 :上値の重い展開か

日本株は、上値の重い展開が予想されます。日経平均株価は3万2千円台に上昇しており高値警戒感がくすぶっているほか、米国の金融政策をめぐる不透明感が日本株を圧迫する見通しです。とはいえ、国内景気の拡大期待などを背景に投資家による日本株の買い意欲は根強く、下落場面では値ごろ感からの買いが株価を下支えしそうです。そうした中、FOMCや日銀金融政策決定会合などのイベントや、内外の多数の経済指標が注目されます。

◆長期金利 :内外の金融政策にらみ

長期金利は0.4%台前半で、もみ合う展開が続いています。来週のFOMCで利上げが見送られると、米金利とともに低下する可能性がありますが、合わせて公表されるFOMC参加者のインフレや政策金利見通し、またパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言などで、利上げ長期化への警戒感が広がると、金利上昇圧力が強まることも想定されます。ECBは利上げを継続、日銀については大規模な金融緩和を維持するとみられます。

◆為替変動性高い

ドル円は変動性の高い展開となりそうです。6月のFOMCやECB、日銀の金融政策決定会合が来週半ばに集中しており、思わくが交錯しそうです。特にFOMCの結果によっては週後半に変動性が高まる可能性があります。FOMCにおいては、足元、利上げを見送るとの見方が強いものの、高止まりする米インフレを背景に強いタカ派的なメッセージが伝われば、ドル円は上昇再開となりそうです。パウエルFRB議長の発言に要注目です。

◆Jリート :上値を探る

東証REIT指数は、国内株とともに売りに押される場面もありましたが、週末は買い戻しが優勢になりました。5月の東京都心のオフィス空室率はオフィスの統合による大型解約が出たことなどが影響し、2か月ぶりに上昇しましたが、市場への影響は限定的でした。引き続き、経済再開への期待やインバウンド需要の増加に加え、利回り面での投資妙味、資産価格と比べた割安感などから、底堅い動きの中、上値を探る展開が続きそうです。

来週の注目点

機械受注(4月) 6月15日(木) 午前8時50分発表

機械受注統計によると、設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額は3月に前月比3.9%減の8,529億円となりました。このうち、製造業は同2.4%減、非製造業は同4.5%減となりました。また1-3月期の受注額は前期比2.6%増と、3期ぶりに増加しました。

4月の機械受注は、前月比で小幅な増加が見込まれます。好業績などを背景とした国内主要企業の底堅い設備投資意欲が、機械受注を支える見通しです。ただ、海外景気をめぐる不透明感などを踏まえれば、機械受注は当面、緩やかな増加にとどまると予想されます。

米消費者物価指数(5月) 6月13日(火)午後9時30分発表

4月の米消費者物価指数(CPI)は、総合で前年比4.9%の上昇と、2021年4月以来初めて5%を切り、また、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは同5.5%の上昇となりました。コア指数も前月から伸びが鈍化しました。

米労働市場は、引き続き堅調に推移しているものの、これまでの利上げや信用収縮の影響を背景にインフレが鈍化しつつあることが示されました。サービス分野を中心に消費者の底堅い需要が今後も想定されますが、インフレ鈍化の傾向は継続し、5月は総合で前年比4.1%程度、コアは同5.3%程度の伸びを想定しています。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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