来週の金融市場見通し(2022年11月21日~2022年11月25日)
■来週の見通し
10月の米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)の伸びが鈍化したことから、インフレのピークアウトが意識され、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを緩めるとの見方が一旦広がりました。ただ、米セントルイス連銀のブラード総裁が「政策金利はさらに引き上げる必要がある」と述べるなど、FRB高官からのタカ派的な発言が市場の楽観的な見方を後退させました。来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月開催)の内容や、米国で本格化する年末商戦なども確認したいところです。
◆株価 :上値の重い展開に
日本株は、上値の重い展開が予想されます。足元、内外の株価は底堅さを見せているものの、米国のインフレや金融政策などをめぐる不透明感が残る中、当面、積極的に上値を追う動きは限られそうです。物価高などのため国内景気の拡大は緩慢とみられることも、日本株の上値を抑制する見通しです。とはいえ、米国の利上げペース減速への期待は根強いことに下支えされ、日経平均株価は2万8千円近辺を中心とした動きが継続しそうです。
◆長期金利 :鈍い動きが継続
10月の米CPIや米PPIの伸びが市場予想以上に鈍化したことを受け、米長期金利が低下する動きになったものの、国内の長期金利は日銀が許容する上限の0.25%手前での狭いレンジでの動きが続きました。ただ、20年債、30年債などの超長期債の利回りは低下する動きになりました。また、5年国債、20年国債入札は無難な結果でした。長期金利は米金利にらみながらも、鈍い動きが続きそうです。40年国債入札も確認したいところです。
◆為替 :底堅い中、上値模索
10月の米CPIが市場予想比で下振れて以降、米長期金利が低下基調で推移したことを受け、ドル円は一時137円台後半まで下落しました。しかし、その後は複数のFRB高官から、米インフレへの警戒や引締め継続を示唆したタカ派発言が相次ぎ、ドル円は140円台に戻すなど堅調な推移となっています。来週も、底堅い地合いの中、FRB高官発言やFOMC議事要旨などを確認しながら、徐々に上値を模索する展開となりそうです。
◆Jリート :戻りを探る
東証REIT指数は、週初に利益確定売りに押された後は、1,950ポイントを挟んだ動きが続きました。10月の訪日外国人旅行者数が新型コロナの水際対策の大幅緩和を受け、9月の2.4倍と急増したことは安心材料です。一時4.3%台まで上昇した米長期金利が3.7%台まで低下しており、利回り面でJリートに妙味があるとみた買いも期待できます。とはいえ、新型コロナの感染が拡大してきていることは重しになる可能性があります。
■来週の注目点
東京都区部・消費者物価指数(11月) 11月25日(金)午前8時30分発表
東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は10月に前年比3.4%上昇と、消費税増税の影響を除くと約40年ぶりの大幅な伸びになりました。電気・ガスや、生鮮食品を除く食料の価格上昇が顕著でした。
11月の東京都区部コアCPIは、10月と同程度の伸びが予想されます。引き続き資源高や円安に伴うエネルギー価格や食料価格の上昇が、物価指数を押し上げる見込みです。とはいえ足元、原油価格などの上値が重くなっている上、急激なドル高・円安が一服しています。さらに賃金の伸びが鈍いことも踏まえれば、東京都区部や全国の物価指数は、来年には徐々に伸びが鈍化する見通しです。
ユーロ圏製造業PMI(11月) 11月23日(水)午後6時発表
10月のマークイットユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)は46.4と予想を下回り、4か月連続で活動の拡大縮小の境目となる50を下回りました。同指数は今年1月から9か月連続で低下しました。また、総合PMIも47.3と6か月連続で低下し、また、4か月連続で50を下回りました。
足元、ユーロ圏ではロシアからの天然ガスなどのエネルギー供給に懸念があるうえ、電力価格や原材料価格の高騰に直面しており、ユーロ圏が景気後退に陥るリスクが高まっています。今後も両指数とも50割れの水準で、低調な推移となりそうです。
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