来週の金融市場見通し(2022年6月27日~2022年7月1日)

■来週の見通し

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は議会証言で、今後も継続的な利上げが適切になると述べるとともに、米経済のソフトランディング(軟着陸)の達成は難しいとの見解を示しました。また、物価抑制を最優先する考えを強調しました。今後は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅やその後の利上げペース、利上げの米経済への影響などを確認していくことになります。来週は日銀短観や米個人消費支出に加え、欧州中央銀行(ECB)総裁やFRB議長らの討論会も確認したいところです。

◆株価 :底堅い展開か

日本株は、底堅い展開が予想されます。欧米などの景気減速懸念が強まっているものの、それに伴う内外の国債利回り低下が、株価を下支えする見通しです。また、中国景気が最悪期を脱した可能性が高いとみられることも、日本株の好材料となりそうです。とはいえ、世界的な金融引締めの加速に対する警戒感は依然として強いことから、欧米のインフレや金融政策をめぐる思わくで株価が不安定になる場面もあり得るため、注意が必要です。

◆長期金利 :レンジ継続

前週末に日銀が強力な金融緩和を堅持して以降、長期金利は0.20%台前半での狭いレンジでの動きが続いています。日銀が、長期金利が 0.25%を超えないよう国債を無制限に買い入れる指値オペを、原則毎営業日実施していることに加え、債券先物に連動する残存期間7年の長期国債を対象にした連続指値オペも実施し、国内債の利回り上昇を抑制しています。やや落ち着いてきた米長期金利もにらみながら居所を探る動きが続きそうです。

◆為替 :方向感模索

日米金融政策の方向性の違いを背景にドル円の下値余地は限定的とみられます。米国の早期大幅利上げ観測を受け、米景気の減速懸念が高まっており、足元、米長期金利は低下しています。それを受け、一時136円台後半まで上昇していたドル円は134円台後半での推移となっています。米景気の動向に市場の注目が集まっており、ドル円は、米個人消費支出(5月)などの景気指標を確認しながら、方向感を探ることとなりそうです。

◆Jリート :一進一退の中、上値を探る

東証REIT指数は、一進一退の動きが続きました。1,900ポイントを下回ると押し目買いが広がり、終値では1,900を割り込みませんでした。日銀が強力な金融緩和を堅持し、長期金利が落ち着いた動きになっていることは安心材料です。また、GoToトラベルはまだ再開されていませんが、代替として全国を対象に新たな観光需要喚起策「全国旅行支援」が早ければ7月前半にも開始されると伝えられており、Jリート市場を下支えしそうです。

来週の注目点

日銀短観(6月調査) 7月1日(金)午前8時50分発表

3月調査の日銀短観では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス14、同・非製造業がプラス9となりました。昨年12月調査に比べ、それぞれ3ポイント悪化、1ポイント悪化と、資源高や新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、低調な景況感が示されました。

6月調査では、大企業の業況判断DIは製造業で悪化が見込まれるものの、非製造業では改善が予想されます。製造業では資源高などが引き続き重しとなった一方、非製造業では感染者数の緩やかな減少が景況感を支えたとみられます。今後も当面、こうした傾向が続く見通しです。

米個人消費支出(5月) 6月30日(木) 午後9時30分発表

4月の米個人消費支出(PCE)は、前月比0.9%増と市場予想を上回りました。また、物価指標のひとつとして注目されるPCE総合価格指数は前年比6.3%上昇と、前月と比べやや伸びが鈍化しました。

インフレ高進が続く中、雇用の伸びや積み上がった貯蓄などに支えられ、足元、消費は堅調ですが、今後、ガソリンや食品価格の上昇が家計支出を圧迫しそうです。5月のPCEは前月比0.4%増程度、PCE総合価格指数は前年比6.2%程度の上昇が見込まれます。

 

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