来週の金融市場見通し(2022年4月25日~2022年5月6日)

■来週の見通し

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げを検討すると発言したことなどを受け、利上げ加速見通しが一段と強まっています。米金融市場では7月までのFOMCで1.5%の政策金利引上げがほぼ織り込まれた状況です。23日以降はFOMC参加者が対外発信を控えるブラックアウト期間に入るため、それまでは米金融当局者の発言に振らされることはなさそうです。FOMCに加え、本格化する企業決算や日銀金融政策決定会合なども確認したいところです。

◆株価 :方向感を欠く

日本株は、明確な方向感を欠く展開が予想されます。足元、米企業決算では消費関連企業などの底堅い業績が示されており、米景気への悲観は和らいでいます。ただ、世界的な高インフレを受け米欧で金融引締めが加速するとの観測が、投資家心理を圧迫しそうです。そうした中、日銀金融政策決定会合や米FOMCが開催されるほか、内外で多数の企業決算や経済指標が発表されるため、それらの結果次第で株価は上下に変動する見込みです。

◆長期金利 :米金利、日銀にらみ

日銀は長期金利が許容する上限の0.25%まで上昇したことを受け、20日に指定した利回りで長期国債を無制限に買い入れる指値オペを実施しました。また、日銀は21日から複数日にわたる連続指値オペも実施(通知)し、週末にようやく長期金利は0.245%と若干低下しました。神経質な動きを続ける米長期金利をにらみながらも、日銀金融政策決定会合の結果や、黒田日銀総裁の会見を確認するまでは動きにくい状況が続きそうです。

◆為替 :ドル円底堅い地合い継続

ドル円は、米国の早期大幅利上げ観測と原油価格高騰などを受けた日本国内からの実需のドル買いなどを背景に底堅い地合いが続きそうです。米長期金利は3%をうかがう水準まで上昇しており、ドル円は一時129円台半ばまで上昇しました。足元はこれまでの急激な上昇の調整局面に入った可能性もあり、上昇の勢いは一服しそうです。とはいえ、国内輸入企業などの実需のドル買いも引き続き想定され、ドル円は底堅い推移となりそうです。

◆Jリート :一進一退の中、上値を探る

東証REIT指数は、一進一退の動きが続いています。リートの増資が一巡してきており、需給面では底堅い動きが見込まれます。内外の長期金利の動きが落ち着いてくれば、安心感が広がる可能性があります。とはいえ、下げ止まりも見られる新型コロナの感染動向には注意が必要です。日銀については年内にも政策修正に踏み切るとの見方も出てきており、金融政策決定会合の内容を確認しようと様子見姿勢が広がることも想定されます。

来週の注目点

日銀金融政策決定会合 4月28日(木)に結果発表

今回の金融政策決定会合では、現行の政策が維持される可能性が高いとみられます。ただ、「経済・物価情勢の展望」では、成長率見通しが下方修正される一方、資源高などを受け物価見通しの上方修正が見込まれます。

物価については、4月の東京都区部・消費者物価指数(5月6日発表)の大幅な伸びが予想されます。全国消費者物価指数についても、4月以降、生鮮食品を除く指数が前年比2%前後の伸びに高まる見通しです。とはいえ、物価上昇は一時的な要因によるもの、との見方から、日銀は金融政策の正常化を急がない見込みです。ただ現在、円安が急速に進む中、それによる輸入物価の上昇が懸念される状況となっています。そのため、今回の会合や黒田日銀総裁の会見での円安をめぐる議論や見解が注目されます。

米個人消費支出(3月) 4月29日(金) 午後9時30分発表

2月の米個人消費支出(PCE)は、前月比0.2%増と市場予想を下回りました。一方、物価指標として注目されるPCE総合価格指数は前年比6.4%上昇と1982年以来の高い伸びとなりました。物価上昇率が高水準となる中、実質の賃金の伸びが抑制され、消費が圧迫された模様です。

緊迫しているウクライナ情勢を背景に、ガソリンや食品など、必需品のコストが上昇しており、今後も消費を圧迫する可能性があります。3月のPCEは前月比0.6%増程度、PCE総合価格指数は前年比6.7%程度の上昇が見込まれます。

米雇用統計(4月) 5月6日(金)午後9時30分発表

3月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比43万1,000人増となり、堅調な結果ながら市場予想の範囲内だった一方、失業率は3.6%と市場予想以上に低下しました。米国では求人件数が高水準で推移する中、雇用主は順調に人員補充を進めているとみられ、米国の労働市場の回復が堅調なペースで続いていることが示唆されました。

ウクライナ情勢は緊迫化した状況が続いているものの、米国では今後も労働市場の改善は継続すると見込まれます。4月の非農業部門雇用者数は前月比35万人増程度、失業率は3.6%程度を想定しています。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
来週の金融市場の見通し、注目点を、コンパクトにまとめてお伝えします。
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会