来週の金融市場見通し(2022年1月24日~2022年1月28日)

■来週の見通し

米金融政策への思わくや新型コロナウイルスの感染拡大への警戒から、内外の金融市場が不安定な動きになっています。米国では今年3月に利上げを開始する可能性が高くなっていますが、通常の0.25%の利上げではなく、0.5%の大幅利上げを見込む声も出てきています。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米金融政策をめぐる不透明感が後退するかが注目されます。国内で急拡大している新型コロナウイルスの感染動向に加え、日米の物価指標や本格化する企業決算発表なども確認したいところです。

◆株価 :上値の重い展開に

日本株は、上値の重い展開が予想されます。ただ、日経平均株価は足元、大幅に下落していることから、値ごろ感からの買戻しが優勢となる場面もありそうです。とはいえ、米国の早期金融引締めに対する警戒感のほか、国内における新型コロナウイルスの感染急拡大が、日本株の上値を抑える見通しです。そうした中、米FOMC、および、米国の主要経済指標や企業決算の結果次第では、内外株価の上下変動が大きくなる可能性もあります。

◆長期金利 : 上昇が抑制される中、居所を探る

米金融引締めの前倒し観測に加え、原油高を受けたインフレ懸念を背景に、米長期金利は一時1.90%まで上昇しましたが、国内の長期金利への影響は限定的で、0.1%台前半での動きが続きました。日銀の黒田総裁が政策変更を否定しただけでなく、物価が一時的に上昇した場合でも、現行の大規模な金融緩和を堅持する姿勢を示したことから、長期金利は上昇しにくくなっています。新型コロナの感染拡大も金利上昇を抑制しそうです。

◆為替 : じり安基調か

ドル円は、下値余地は限定的とみられるものの、じりじりと上値を切り下げる展開となりそうです。米国の早期金融引締めへの警戒感が高まる中、米長期金利は一時1.9%程度まで上昇し、米日株価が大幅に調整しました。市場ではリスク回避の動きが優勢となっており、株価の調整が続けば、逃避通貨とされる円を買う動きが進むことでドル円はじり安基調となりそうです。また、来週のFOMC後の米長期金利の動きに注目です。

◆Jリート :戻りを探る

米金利の上昇や、新型コロナの感染拡大を受けた13都県への「まん延防止等重点措置」などを嫌気し、東証REIT指数は一時1,800ポイントを割り込んだものの、その後は押し目買いから下げ幅を縮小する動きになりました。Jリートの予想分配金利回りは3%台後半まで上昇しており、利回り面からの魅力は増しています。また、株式市場に比べた割安感も強まっています。しばらくは、不安定な動きの中、戻りを探ることになりそうです。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(1月)  1月28日(金)午前8時30分発表

東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、12月に前年比0.5%上昇と、4か月連続の上昇となりました。特に電気代や都市ガス代など、エネルギー価格の上昇が物価指数の上昇に寄与しました。

1月の東京都コアCPIも、前年比0.5%程度の上昇が予想されます。引き続き、エネルギーや生鮮食品を除く食料の価格上昇が見込まれます。今後も物価上昇圧力が継続するとみられる中、携帯電話料金の値下げの影響が薄れるにつれ、今年中に1%前後の上昇率へ高まる見通しです。

米個人消費支出(12月) 1月28日(金) 午後10時30分発表

11月の米個人消費支出(PCE)は、前月比0.6%増と市場予想通りとなりました。また、物価指標として注目されるPCE総合価格指数は前年比5.7%上昇と、1982年以来の大幅な伸びとなりました。米国ではインフレが高進する中でも、サービス分野での支出を中心に堅調な個人消費は継続している模様です。

とはいえ、米国では新型コロナ感染拡大の影響もあり、外食などへの支出に影響が出始めている模様です。12月のPCEは前月比0.5%減程度、PCE総合価格指数は前年比5.8%程度の上昇が想定されます。

 

 

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