株式市場の落ち着きはいつ?
12月相場入りとなった今週の国内株市場ですが、新たに検出された新型コロナウイルスの変異株をきっかけに揺さぶられる展開が目立っています。12月1日(水)の日経平均はいったん反発して終えていますが、変異株についてはまだ判明していないことが多く、しばらくはニュースなどのヘッドラインや感染の拡大状況などに一喜一憂する展開が続くと思われるほか、来週末の10日(金)にはメジャーSQが予定されていることもあり、需給要因によって値動きの振れ幅が大きくなることも想定されます。
また、足元の株式市場は変異株を中心に回っているような印象ですが、11月30日の米国株の下落の背景を紐解いてみると、同日の議会証言に臨んだパウエル米FRB議長の発言内容が金融引き締めに積極的と受け止められたのを売りの材料として下げ幅を広げた場面を見せており、インフレや金利動向にも敏感に反応していたことがうかがえます。
パウエル議長の具体的な発言については、「テーパリング(金融緩和の縮小)を2~3カ月早く終えるのを検討するのが適切」というもので、インフレへの警戒感の姿勢を強めた内容になっているほか、これまでの「物価上昇は一時的」いうFRBの見解が修正されつつあることを示しています。今週2日のOPECプラス会合の結果や10日の米11月消費者物価指数への結果を踏まえつつ、物価やインフレの状況を把握し、14日~15日にかけて開かれる米FOMCで金融引き締めの是非について議論されることになります。
もちろん、コロナウイルスの変異株の懸念が後退すれば、株価は大きく反発していくと思われますが、米FOMCが終わる頃までは、積極的に上値をトライする動きにはなりにくいと思われます。その後は、年末株高や掉尾の一振りを期待した買いも出てくることも考えられますが、米FOMCが終わる12月中旬の株価水準次第でムードが左右されるほか、銘柄選別も進むことが考えられます。
銘柄の選別色が進む相場では、大手IT・ハイテク企業という牽引役を抱える米国株市場と、目立った「スター銘柄」が存在しない日本株とのあいだでギャップが進みやすくなるため、今年の年末にかけての国内株市場は大きく上値を伸ばせない展開になるかもしれません。
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