「答え合わせ」相場の訪れと春の嵐

2019/03/29

いよいよ来週から新年度相場入りとなりますが、3最終週となる今週の国内株市場は、日経平均が大幅下落でスタートしたかと思えば、翌日に急反発するなど慌ただしさを見せています。買いを入れるにも、売り込むにも未だ方向感を定めにくい印象です。

 

2019年相場は早くも3カ月が過ぎようとしていますが、この期間の日経平均はほぼ順調に値を戻す展開を辿ってきました。株価水準的には、昨年102日の高値(24,448円)と1226日の安値にかけての下げ幅の「半値戻し(21,698円)」を達成し、直近ではややもたつき気味となっています。

 

下落していた期間も3カ月弱だったことを踏まえると、「同じ期間を費やして下げ幅の半分しか戻せなかったと考えれば、やっぱり戻りの勢いは弱いのかも」と見ることもできます。米NYダウに目を向ければ、下げ幅の 8割以上を取り戻していますが、ただ、その米国株の上昇も、米FRBのハト派姿勢と米中協議の進展期待が中心だったため、すでに株価上昇のエネルギーをかなり消費したと考えられます。さらに上値を追っていくにはプラスアルファの材料が必要です。

 

事実、週初に見せた株価の大幅下落は、これまでの上昇の一躍を担っていたFRBの金融政策がきっかけとなっています。先週開催された米FOMCでは、バランスシートの縮小が12月末ではなく、9月末の停止が見込まれるなど、ハト派スタンス強める結果となりました。

 

このFOMCの結果を受けた株式市場の初期反応は好感されたのですが、その後は長短金利が逆転したことで、ムードが一気に悪化しました。経済状況などの外部環境自体は大きく変わっていないものの、ハト派姿勢そのものを好感する動きから、ハト派を強めることになった前提(世界経済の減速懸念など)の方に視点が移ったことが大きかったと言えます。

 

昨年末の下落局面は、米中摩擦をはじめ、世界景気の減速やそれに伴う企業業績の後退など、不安を先取りする相場でしたが、その一方で、今年に入ってからの上昇局面は、不安を通り越して期待を先取りする相場だった面があります。そして、FRBの金融政策に対して異なる視点が意識され始めるようになったこともあり、今後はこれまでの不安や期待に対し、実際のところはどうなのかを経済指標や企業業績などを見極めながら答え合わせをする相場になっていく可能性があります。来週の月曜日(41日)には日銀短観の公表が予定され、月の半ば以降は国内外の決算発表シーズンに突入します。

 

ただし、米中協議や英国のEU離脱をめぐる動きなど、相場に影響を与えそうな政治的要素は現在進行形ですし、国内では来月下旬から10連休に入るため、本格的な答え合わせに入るのは連休明けの5月ぐらいになるかもしれません。それまでは方向感が出にくい割に値動きが大きいという展開が続く可能性が高そうです。

 

 

 

 

 

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