日本市場は下落トレンド継続へ

このところ随分と寒い日が続いているが、3月からは暖かい日が続くようである。ようやく寒い時期から脱して、春が来る。うれしい限りである。さて、遅くなったが1月のモデルポートフォリオの状況ならびに近況について記したい。

1月のマーケットは日米市場とも大波乱の幕開けとなった。

米国市場は大幅に続落。人民元の下落を受けた中国株の急落、イランをめぐる国交断絶や北朝鮮の核実験による地政学的リスク、原油価格の12年ぶりの安値、中国ならびに米国の冴えない経済指標などリスク要因が続発し世界的な株安に。NYダウは一時15766ドルまで下がり8/25以来5か月ぶりの安値に。その後はECBのドラギ総裁の「3月に金融政策を再評価」との発言から追加的金融緩和への期待が高まり、原油価格が急反発。1月のNYダウは28日時点で16069ドルと前月より1356ドル下落し月間騰落率は-7.8%。ナスダックは4506となり501ポイント下落の-10.0%となった。

東京市場も大幅下落。もろもろのリスクファクターの顕在化による世界的な株安を受けて日本株も急落。大発会から6日続落は初めての出来事。人民元安・上海株を巡る不安や原油安によるオイルマネー引き上げへの警戒が根強く1月中旬までは売り優勢に。日経平均は一時16017円まで下落して14年10月30日以来1年3か月ぶりの安値に。その後は、欧州並びに日本の金融緩和やFOMCの金融引き締め政策緩和への期待感から買い戻し。売買代金は2.6兆円程度。為替は年末の120,50円から115円台の激しい値動き。1月の日経平均は17518円で取引を終え、12月末の19033円から1515円下落し月間騰落率は-8.0%、Topixは-7.4%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が-6.3%、マザーズ指数は-6.3%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における1月のパフォーマンスは-4.9%となり、年初来-4.9%、累計では+140.7%(12月末+153.1%)と大幅に後退。1月末時点のポートフォリオの株式比率は63%で28銘柄を保有(12月末は74%で33銘柄を保有)。株式部分の含み益は+6.9%(12月末は+11.5%)。ただし、63%のうちダブルインバースETFの投資比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETFの10%は株式ではないため、純粋の株式のロングウェートは63%ではなく23%である。

12月のコメントにおいて「1月のマーケットは日経平均が19000円台で値固めできるかどうかがポイント」と述べていたが、大発会の日に582円安、そしてようやく7日目になって上昇するという前例のない動きとなった。そして1/21には直近安値であった9/29の16901円をあっさり下回り、16017円まで下落して年初からわずか13日目で3000円も下落した。売られた背景は原油安、元安、中国株安などの外部要因であるが、なかなか反発しない一番の要因は17/3期の企業業績が減益になる可能性が濃くなっていることだ。それを織り込みにいっているため、簡単には反発しづらい状況が続いている。

長期的なチャート面では2007年2月に付けた日経平均18300円レベルを回復できない限り、今回のアベノミクス相場は昨年6/24の20838円がピークとなることが確定する。17/3期の業績はコンセンサスでは1ケタ台後半の増益であるが、いくら原油安効果があるとはいえ、世界経済の減速と円高によって打ち消されて減益になる可能性が高い。私は2ケタ減益になると思っている。

2月の日経平均は14865円まで下落した後はやや落ち着きを取り戻している。反発する日もあるがリバウンドすると見せかけて勢いを失うということが多く、これは下落相場の典型的なパターンである。したがって、短期的な反発を期待しつつも、2016年は下げ相場を前提とした運用をおこなうのが賢明だろう。1/29に発表された日銀の「マイナス金利」導入の金融緩和策は金融市場を破壊するほどの劇薬であり、金融緩和策に頼った株価上昇を望むことは難しいと考える。

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