2025年、日本株は米株独り勝ちの代替たり得るか
~米国とともに株式資本主義の道を歩む~
【ストラテジーブレティン(370号)】
今我々は空前のAI革命、既存の世界秩序の無能化、と言う二つの歴史的現実に直面している。トランプ・マスク氏はこの閉塞感ある時代に、大変革を打ち出そうと身構えている。その変革の理念とは、筆者流に解釈すれば、「資本主義が正義、資本主義なき民主主義は虚構」と言うものである。2025年とはそのような変革の時代の幕開けの年となるだろう。その下で米国株式はバブルと見られるほどの株高に向けて跳ね上がるだろう。日本株は米国株とともに最も安心感のある投資対象として、世界の注目を集めるだろう。米国株式バブルへGO、日本株長期上昇波継続、日米金利は高止まり、ドル指数強含み、ドル円はレンジの動きとなるだろう。
(1) 明白な米国優位・・2025年、何故米国でバブル的株価上昇が期待できるのか
トランプ氏勝利の経済政策的意義
AI革命は劇的な生産性の向上により企業部門(特にマグニフィセント7などの巨大ハイテク企業)に著しい超過利潤=過剰貯蓄を与える一方、労働者への分配が滞り格差を拡大させるという問題を引き起こした。この企業部門に蓄積されている超過利潤をいかに経済システムに還流させ、成長(=新規需要と雇用創造)につなげるかが、米国経済が直面する最重要の課題である。図表1に見るように、企業の内部資金(純利益+減価償却費)は、1960年代から1990年代まで、GDPの10~12%で推移していた。それが、最近では14~16%で推移するようになっている。他方企業の設備投資は長期にわたってGDP比10%程度推移しており、企業部門の資金余剰が顕著になっている。この企業余剰をどう再分配し新規需要と雇用につなげるのか。
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