ドル高・円安で日本の価格競争力向上、企業収益急伸へ

【ストラテジーブレティン(292号)】

(1) ドル高時代へ、米国の役割変化、ドル流動性供給者から需要創造者へ

世界の機関車、 中国から米国へ
米国のテーパリングがいよいよ視野に入り、ドル高の時代が始まったのではないか。ドルインデックスは5月末以降5%上昇している(図表1)。時代が変わっている。コロナ危機に対して米国が世界にドルを供給し、結果としてドル安になった時期は終わった。これからはドルが強くなり、世界の資金が米国に集まり、米国内需つまり米国への輸出が各国経済を推進する時代に入っていくのではないか。2022年これまで世界経済をけん引してきた中国経済の大減速が必至となった。IMFの直近10月に改訂発表した2022年の世界の経済 見通しは、中国前年比+5.6%、米国同+5.2%であるが、恒大集団危機が引き金を引く建設・不動産の失速により、中国の景気落ち込みは更に大きくなるかもしれない。他方、米国消費は旺盛、世界経済の機関車は中国から米国にシフトしつつある。

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