中国・米国の株価急騰、その要因と持続性
~ 米中対決が引き起こした金融緩和+株高競争 ~

2019/04/16

【ストラテジーブレティン(223号)】

(1) 想像を絶する米中株高

昨年クリスマスの時点で年初3か月間の株価急騰を予見できた人は皆無であろう。米国S&P指数は昨年9月末の史上最高値からクリスマスまで20%の暴落となったが、先週末(4月12日)までに24%の急騰を遂げ、史上最高値比-1%の水準まで回復した。今や最高値更新は時間の問題であろう。中国株式の急騰は一段と強烈で、上海総合指数は4月4日には3247ポイントと、1月2日のボトム比32%の上昇となった。上海総合指数は、米中貿易戦争勃発が明らかになった昨年3月初旬が3200~3300ポイントであったので、貿易戦争勃発前の水準を回復したのである。米中貿易戦争の米中合意が成立する前に、貿易戦争の当事国中国と米国の株価が完全回復し、世界をリードするとは!!

昨年末までほとんどの市場参加者は、米中貿易戦争が世界経済の失速と株安を引き起こすことを心配していた。株価急落の起点となった昨年10月4日、ペンス米副大統領がハドソン研究所において、非常に厳しい中国批判のスピーチをした。これまでの貿易や経済に限定した批判の枠を超え、政治、軍事、情報、技術、あらゆる面での中国の不公正さを非難した。WSJ紙は「ペンス副大統領は第二次冷戦の開始を宣言した」という論説(ウォルター・ラッセル・ミード氏)を掲載し、米国が全面的な中国封じ込め政策に転換したとの評価を伝えた。「いよいよアメリカと中国は根底からの戦いの時代に入った。経済や市場関係者は、国家安全保障が経済に優先する時代に入ったことを過小評価している」と論説は主張した。経済も株価も貿易戦争の犠牲になる覚悟をせよ、というわけである。ところが今、広く共有されていた懸念とは真逆の株価上昇が続いている、なぜだろうか。

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