FM 今月のポイント(2017年 6月)

2017/06/05 <>

*ついに日経平均株価が2万円大台を突破しました。NY 株式市場が連日の史上最高値を更新する中で、出遅れ・割安感が指摘されていた日本株が本格的な上昇に転じることになるのでしょうか?⇒当面は短期的な過熱感からの利益確定売りをこなす事が先決です(東証1部の 25 日 MA 当落レシオ 128.85)。トランプ政策離れが進むNY株式市場の動向を考えると6月8日に実施される予定のコミー前 FBI 長官の議会証言の影響は軽微と思われます(コミー氏の議会証言ではロシア疑惑に絡み、トランプ氏が大統領補佐官だった側近のフリン氏への捜査中止を要請したとされる言動が「司法妨害」にあたるか否かがポイントとなる)。6月2日に発表された5月の米国雇用統計について、年内の利上げペースを加速させるほど強いものではないとマーケットが受け止めたことの方が日本株には影響が大きいと考えられます(メディアでは「失望する内容」との報道が相次いだ)。非農業部門雇用者数増加は前月比 13 万 8000 人に留まりました(事前予想は 18万人程度):3月、4月も計6万 6000 人の下方修正)。さらに注目されていた賃金上昇率が前年同月比で 2.46%増加に留まり、4月の 2.51%を下回りました(2月の 2.8%をピークに頭打ち感が高まっている)。6月 13 日~14 日に開催される FOMC での利上げは揺るがないものの(FFレート先物から判断すれば 80%程度の利上げ確率)、その後の FRB の強い利上げ意欲をにじませ難い結果であったと思われます。雇用統計の発表を受けて、ドル円レートは 111 円台から 110 円台前半への円高傾向となりました。米 10 年債利回りは 2.160%まで低下して昨年 11 月以来の水準を付けています。日経平均株価が2万円をあっさりと抜けた背景に雇用統計期待(指標が上振れ FOMC で利上げペースの加速が確認され米 10 年債利回りの上昇、ドル円レートの円安方向への加速)があっただけに、一時的には失望売りが加速する可能性があり要注意です。また、逆にリバーサル加速の結果として順当に上昇していた小型株が利益確定売りにさらされましたが(日経平均株価が2万円を突破した6月2日の東証マザーズ騰落率はマイナス 0.38%)、早期に上昇基調を取り戻す可能性が考えられます。長期金利の低下、円高傾向はグロース株、小型株に大きくフォローです。一時的な大型・バリュー・シクリカルの反転に惑わされる状況ですが、小型・グロース株を中心にポートフォリオを構築する今年のメインシナリオを変更する必要は無いと考えています。

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