FM 今週のポイント(2月13日)

2017/02/13 <>

*トランプ大統領のマーケットへの影響は一段と高まっているようです。先週は、ドル円相場が7日に一時、大統領選後の11月下旬以来となる 111円台半ばまで円高が進みました。これはトランプ大統領の刹那的な大統領令連発(政策運営への不透明感)と日本の通貨政策に対する批判的発言が大きく影響しています。日経平均株価も円高の影響を受けて 18,800円台まで下落しました。ところが、 9日にトランプ大統領が大規模な減税策の発表を示唆すると一転してドル高基調が強まり(一時 113円台後半)、日経平均株価も週末には 19,300円台を回復して終了しています。経済ファンダメンタルズを度外視してトランプ大統領の一挙手一投足に過剰に反応する相場状況が続いています。そのような状況の中で週末は日米首脳会談に注目が集まりました。「米国第一」を掲げて2国間協議を軸に米国優位の貿易関係を構築する事を目指すトランプ大統領⇒就任後も対日貿易赤字を問題視し、通貨問題でも中国と並んで日本 を名指しし「何年も通貨安誘導を繰り広げている」、「米国はバカを見ている」と批判してきました。従って、マーケットでは日米首脳会談においてトランプ大統領が「自動車」や「通貨」の問題で強硬な圧力をかけてくる懸念に身構えていました。

* 10日にホワイトハウスで行われた日米首脳会談では日米同盟の強化で合意し、通商・通貨問題での踏み込んだ圧力が無かったことからマーケットには大きな安堵感が広がっています。今週の国内株式市場は、一先ず、安心感からの買戻し主導の展開が見込まれます(週末の上昇幅が大きかったことから日米首脳会談 の無事通過は織り込まれているため日経平均株価の急上昇は難しい)。当面は 1月 4日に付けた昨年来高値の 19,594円を目指す展開を想定しています。今後はトランプ発言による円高進行力が減退するものと思われ、日本株市場の安定化が見込まれます。さらに注目される材料としては近日中に発表される見込みの大減税の具体的方針です⇒マーケットが想定している以上に規模が大きく、効果的な減税案である場合は NY 株式市場が一段高となり、ドル高が進行して日本株にも大きくフォロー要因になるものと考えられます⇒ 2月中の日経平均株価 2万円大台突 破の可能性もあります。

*しかしながら、俯瞰的に見たトランプ政策はリスクマーケットにフォローであると思われますが、刹那的には大きな変動(ノイズ)をもたらすことは間違いありません。今後も麻生副総理とペンス副大統領の新経済対話でどのような対日圧力が具現するか予想できません。さらにツイッターでの思いつき攻撃もあるでしょう。ファンドマネジメントにおいては長期的展望はもちろんのこと短期、それも刹那的な判断(ノイズにも機動的に対応)が大きくパフォーマンスを左右する局面にあることを念頭に置く必要があります。

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