FM 今月のポイント(2017年2月)

2017/01/30 <>

*先週のトピックスはドルベースの日経平均株価が170 ドルを超えたことです。なんと、2000 年5月以来、16 年半ぶりの高値です。当然ながら米国投資家はじめ、外国人投資家はドルベースの日経平均株価を眺めながら、日本株の動向を占うことになります。今まで越えそうで越えなかった170 ドルの壁を16 年半ぶりに越えたことは大きな意義があると思います。トランプノミクスと足元の好調な米国企業業績でおそらく外国人投資家は日本株にも強気になっています。外国人投資家は昨年の11 月1週以降3兆8,000 億円(現物+先物)、日本株を買い越しています⇒そもそも、15 年12 月1週以降、16 年10 月末までに8兆円、日本株を売り越してきました⇒3兆8,000 億円の買い越しなど、買戻しとしても、まだまだ打診買いレベルといえます。日本企業の10 月~12 月業績が出揃い、通期上方修正企業が相次ぐ頃には(2 月中旬)、外国人投資家の買い姿勢が一段と鮮明になるものと思われます。一方のNYダウもついに、史上初めて2万ドルの大台を突破しています。相変わらず、トランプ大統領はツイッター攻撃を止めず、米メキシコ国境に壁をつくる大統領令に署名しています(メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領は26 日、米国が進める対メキシコ国境での壁建設計画をめぐる対立を理由に、トランプ大統領との会談を中止すると発表した)。それでも米国株式市場は上昇基調を維持しています。一説では、壁建設実行は他の公約の実現性を高めたと認識され、マーケットに好意的に受け取られたようです。28日夜に行われた日米首脳電話会談において、トランプ氏は「大統領選で約束したことはしっかりやる。スタートが大事だ。」と語っています。中休みだった、トランプラリーが再燃の兆しを見せているのは、このトランプ大統領の実行力をマーケットが嗅ぎ取っているためです。25 日には共和党の議員がフィラデルフィアに集まり、今後、200 日に優先する政策を決めています⇒当初の予定には無かったインフラ投資が盛り込まれたこともトランプ大統領のリーダーシップが
しっかりと発揮されている表れです(共和党は伝統的に財政支出拡大を嫌う)。

*ただし、浮かれてばかりではいられません。実際に、政策が実行され、その政策が効果を発揮できるか見極める時期に入るからです。先ずは2月中に予定される、予算教書、議会演説です。ここで、財政支出や減税の規模が予想を下回ったり、議会との政策調整が難航した場合は、トランプノミクスへの期待感が一気に萎む可能性があり、要注意です。期待先行のトランプラリーは米国企業の好業績にも支えられ、第2段がスタートした可能性が高いと思いますが、2月中旬に潮目が変わる短期決戦型を想定しています。

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