FM 今月のポイント(2016年3月)
*2月12 日が底値になるのか?⇒目下のところ最大の注目点です。日経平均株価で14865.77円です。アベノミクスが始まった2012 年10 月の水準(8534 円)から昨年6月の高値(20952.71円)の半値押しの水準が14743 円、黒田バズーカⅡ(2014 年10 月)前の水準が14672 円であることを考えると底値になる可能性が見込まれます(長期上昇相場が継続しているとの前提)。そもそも年初からの下落がここまで大幅になるとは想定外です⇒想定外の事が起こっている原因は世界的な投資家心理の過度な冷え込みに他ありません。2月12 日にかけての世界的株安の特徴は銀行株安です。イタリアのウニクレディットは年初来43%超の下落となりました。ドイツ銀行は40%弱、日本のメガバンクはそろって40%近くの崩落を見せました。リーマン
ショック時のメガバンクの下落が53%程度であったことを考えるとリーマンショック級のリスク度を織り込んだことになります。
*本当にリーマンショックの再来となるのか?⇒はなはだ疑問です。先ず、世界景況感の減速が指摘されて久しいわけですが、IMF の直近の世界成長率は3.4%、米国は2.6%です。もちろん、今後、大きく減速する可能性を懸念していると思われますが、緩やかな減速の確率は高くても急速な屈折を考える必要は無いと考えます。それは、現状がリーマンショックの反省に基づいた世界経済金融システムになっているからです⇒リーマンショックは金融収縮です(流動性の枯渇)。現状は経済学の教科書にはない領域まで過剰流動性を高めています(量的金融緩和+マイナス金利)⇒リーマンショックの再来を懸念する必要はないと考えます。
*米国株はすでに年初の水準まで戻っています(日経平均株価の年初水準は18000 円台です)。昨年9月の下落時も日米の反転は1ヶ月ずれています。米国株が先行して底入れ、日本株が遅れて追随するパターンに今回もなると思われます。外国人投資家動向を仔細に見ると1月までは先物主導の売り越し(完全に投機筋主導)、2月以降は現物の売りが嵩んでいます(先物は逆に買い戻し)。投機筋を中心とした売り方に煽られて長期投資家の一部が現物を投げさせられた構図です(過剰流動性を背景とした長期上昇相場の調整における最終局面の色彩が強い)。今回のタイムラグは1ヶ月かからないと思われます(2週間程度か?)⇒NYダウが25 日移動平均線を突破したのが2月16 日ですから日経平均株価が25 日平均線を明確にクリアするのは3月初旬となるよう期待します。
*注目されたG20 は市場の期待通りの声明内容となりました。これで一気に中国景況感悪化に歯止めがかかり、原油安が是正されるわけではありませんが、市場参加者が一定の安心感を覚えるものと思われます。先ずは株価に先行してドル円相場がどの程度円安方向に是正されるか注目です。
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