FM 今月のポイント(2015年12月)

2015/12/07 <>

*12 月相場は波乱の幕開けとなりました。1日には大引けの買い注文だけで日経平均株価が一気に20000 円大台を突破、想定外の大台突破に戸惑うマーケット参加者が多かったと思います。3日は注目されたECB 理事会でしたがドラギマジックが不発に終わり、欧米株が急落、4日の日経平均株価は一時、19500 円割れとなりました。ドラギECB 総裁は失敗だったのか?→マルタでの10 月の記者会見でドラギ総裁は「12 月の理事会で緩和度を精査する」と発言、その後もマーケットフレンドリーな態度に終始していました。そのため、マーケット参加者の多くは12 月の大胆金融緩和を想定→月間の国債等の買取額を100 億ユーロから300 億ユーロ増額すると見ていました。ところが3日に公表された結果は、量的緩和実施時期を2016 年9月から2017 年3月までに延長すること、ECB 預金金利を▲0.2%から▲0.3%へマイナス幅を拡大することが主な内容でした。想定外の小粒の緩和内容にマーケットは梯子を外された格好となりリスクオフが加速して欧米株安、円高が進み、日経平均株価の急落となりました。ところが4日の欧米株式市場は急騰、NYダウは370 ドル近くの上昇を見せ、ドル円相場も123 円台に戻っています。ドラギECB 総裁の追加緩和を示唆する発言に加え、注目されていた11 月の米雇用統計が事前予想を上回る堅調さを見せたことで米国経済への安心感が広がったことが背景です。さすがは過剰流動性相場といったところですが、それにしても激しい動きで、HF等の短期投資家の血は騒がせても長期ファンダメンタルズ投資家の地合ではありません。

*当面は、特に15 日、16 日のFOMC までは多少のセンチメントのブレで大きな変動が生じる相場を想定しておいた方が良いと思います。果敢に短期変動を投資収益に結びつける努力を否定はしませんが、ここは目先の相場に振り回されずに米国利上げ後の相場を睨んでポートフォリオを構築し、中期的なスタンスで相場に臨むことが賢明であると思います。

*ポイントは3Q業績発表です。上期業績が好調でも、敢えて通期の業績予想を上方修正しないで据え置いている企業が数多く存在します。その中で、3Q業績発表時に上方修正しそうな企業を今のうちから組み入れることが肝心だと考えています。もちろん、相場を活用するのであれば、4日のような急落時に組み入れることが重要ですが、上方修正企業は年明け2月から3月にかけて高値を更新する可能性が高いと思われ、相場タイミングにセンシティブになる必要は少ないと思います(リスク量は全体の組み入れ比率で調整すべき)。FOMC 後世界の株式市場はトレンドが出ると思います(利上げが決定されると同時に今後の利上げスケジュールが緩やかになることが明確になり、景況感の強さと過剰流動性が上昇相場を齎す)。12 月相場は強気で臨みたいと思いますが、リスクヘッジのため上方修正の確度が高い好業績銘柄を厳選することでポジションを固めたいと考えています。

 

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