FM 今週のポイント(10月19日)
*当面は(少なくとも年内)米国の利上げが無いと確信しつつあるマーケットはアンワインドの動きを継続しています。国内株式市場においては外国人投資家が9週ぶりの買い越しを記録しています。8月2週から9月5週まで現物と先物を合わせて7兆円以上を売り越しましたが、10 月1週は5211 億円の買い越しとなりました(対外及び対内証券売買契約等の状況:財務省)。日経平均株価は先週一時、18000 円を割り込む場面がありましたが、週末は18291 円で終了しています。個人投資家に人気のETF(日経平均レバレッジ上場投信:1570)の平均コストが18300 円レベルと言われており、新たな支援材料が無い中で買い戻しのみで上昇している現状では18500 円を大きく抜けていく目処はたちません。当面は18000 円を挟んだレンジ相場が展開されそうです。
*今後の注目点は国内企業の業績発表です⇒20 日の安川電機を皮切りに今週以降2Qの業績発表が本格化します。中間期まで、あるいは足元においては概ね好調な業績推移が見込まれていますが、問題は下期以降です⇒中間期の上方修正は当たり前としても、下期のガイダンスは極めて渋いことが予想されます(世界の景況感下向きを背景に慎重な見通しを発表する企業が多いと思われる)。ただし、マーケットも既に織り込んでいます(日経平均株価18000 円割れはPER17 倍を前提にすれば今期減益を織り込んだ水準)。従って業績発表イベント(個々の銘柄は業績数値によって泣き笑いはある)のポイントはマーケットと企業の環境認識の違いにあると思います。下期以降の事業環境について企業側の認識がマーケット参加者よりも楽観的であれば(もちろん合理的に)株価が上方に水準訂正するきっかけになると思います。
*マーケットと企業の認識に較差が出そうなのが、中国です。今週は中国の7-9 月期のGDP が発表されますが、当局の発表は7%を少し割れた水準になると思います。しかし、マーケットでは当局発表数値を鵜呑みにする参加者はいなくなりました。日本経済研究センターの試算では、4-6月期のGDP は5%前後としており、中国当局発表の7%とは大きな較差です(民間エコノミストの中には3%程度との試算もある)。先週も、9月中国の貿易統計が発表され、ドル建て輸入金額が前年同月比で20.4%も減少しました→11 ヶ月連続の前年割れ、しかも大幅な落ち込みは世界経済の先行き悪化への懸念を大きく膨らませることになりました。今週は「5中全会」が開かれ、新たな景気刺激策の発動に期待が持たれています。しかし、マーケットの懸念が過剰になるのは、景気指標では中国経済の実態がつかめないことにあり、企業業績等のミクロベースの数値を分析する他ありません。その意味で、7-9 月期の国内企業の中国における事業環境等のガイダンスは重要な指針になります。ガイダンスがマーケット参加者の懸念を増幅するのか、緩和するのか大きなポイントです。
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