FM 今週のポイント(10月13日)
*リターンリバーサル相場が続いています。日経平均株価が17000 円を割った9月29 日から先週末にかけて約1500 円の上昇です。8月中旬以降の世界的な株安で大きく売り込まれていた鉱業、非鉄、鉄鋼、機械セクター等が大きく上昇する反面、小売、医薬品、食品等のディフェンシブセクターの下落が目立ちました。上昇相場の中での一時的急落からの反発場面でよく見られる典型的なリバーサル相場です。10 月2日の米雇用統計(9月)発表以降、年内の米利上げが無くなったとの見方が膨らみ、世界的に過度に売られたポジションの巻き戻しが進んでいるようです(S&P により国債が投機的格付けを付与され、株・債券・通貨のトリプル安に陥っていたブラジルでもボベスパ指数が8日連騰)(国慶節明けの中国市場も上海総合指数は2日間で4.27%上昇)(原油をはじめ資源価格も幅広くリバウンド)。結果から考えると8月からのリスクオフの要因は世界景況感が下向きの中での米国金利引き上げに対する牽制だったようです。
*マーケットの牽制が効いてFRB が早期の金融正常化を断念すれば(年内の利上げ無し)、8月以降に溜まった売りポジションが各地、各所で解消されるものと思われます。過剰流動性の額が大きいため(中央銀行の資産残高から推定するとリーマンショック以降倍以上になっている)、今回の売りマグマは相当に大きいと思われ、ポジション解消はある程度の時間とある程度の幅が必要になると思います。国内株式市場における今回の売りポジションの大きさを外国人の売買動向から考えて見ます。外国人投資家は8月2週から10 月1週までのわずか8週間で現物と先物合わせて約7兆円売り越しています(年初から8月1週までは3兆4000 億円の買い越し)。リーマンショック時の外国人投資家の売り越し額が約7兆円(08 年9月4週~09 年3月1週)であることを考えると今回のインパクトの大きさが解ります。そして話題を呼んだ東証1部の空売り比率は9月29 日に43.42 まで拡大しました⇒個別銘柄に空売りが入っているというよりも裁定売りポジションの積み上げです(先物が先行して下落、逆ザヤが常態化しインデックス売りポジションが積み上がる:アカウントが本国のポジションの場合は東証公表の裁定売り残高には反映されない)。リバーサル開始1週間ではポジション解消はままならないと思われます⇒一時的なコレクションがあって当然ですが、当面は壮大なリバーサル相場が展開される見込みです。
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