FM 今週のポイント(9月28日)

2015/09/28 <>

*シルバーウィーク明けのマーケットはまたしても波乱に見舞われました。24 日の日経平均株価は498 円の下落、25 日は配当権利付き最終日ということもあり308 円高となりましたが18000円割れの水準で終わっています。9月末にかけての世界的な株価調整はFOMC を起点としています。9月の利上げ見送りはある程度想定されていましたが、イエレン議長の発言はマーケットの想定よりも大きくハト派(自信なさげ)でした→「世界経済と金融市場の動向について米国への影響を精査するにはもう少し時間がかかる」、「焦点は、中国を含む新興国の状況が米国にどのように波及するか?」と発言してマーケットの中国懸念を確信に変えてしまいました。中国の実態を把握して、下振れによる世界経済への悪影響を織り込むには相当な時間がかかります→10 月の利上げは難しく、12 月の利上げも可能性が低くなります。この2年程度、議論を続けていた米国の金融正常化を後ろ倒しさせるほど中国経済を心配しなければならないのかと、マーケットの疑心暗鬼は大きくなりました。実際、23 日に発表された民間版9月中国製造業PMI は6年半ぶりの低水準です。マーケットの動揺に配慮して24 日の記者会見で「年内の利上げが適切」と改めて表明しました(マーケットの動揺に心を痛めたのか、会見中に20 秒程度、言葉を詰まらせる場面が見られた→FOMC 後のマーケット状況はFRB にとっても想定外)。イエレン議長の会見後、世界的にある程度の落ち着きを取り戻しています。

*連休中のネガティブサプライズは独VW の排ガス試験不正問題です(18 日、米環境保護局は、VWと傘下のアウディで大気浄化法違反の疑いが見つかったと発表)。基本的にはVW 独自の問題であり、他の自動車メーカー、他産業に与える影響は大きく無いと思われますが、これも中国問題と同様に全貌が明らかになるまで疑心暗鬼に包まれる可能性があり要注意です。単純に考えればトヨタ以下、日本の完成車メーカーにとって中期的にポジティブに受け止めても良いニュースと思われますが、現場の地合いでは素直に受け止める投資家が少ないようです。

*8月中旬以降、特に中国の人民元切り下げ以降の調整が長引いて、投資家心理の悪化が単純な自然体調整の範疇を超えた観があります。当面はじっくりと下練りの時間帯が続くものと思われます。ただし、中国の一段の景況感下振れを想定したとしても、世界的な株高のフレームワークに変化なく、長期上昇相場継続は揺るがないと考えています。安倍政権も安保後の経済重視を鮮明にしています→「アベノミクス第二弾」、「新三本の矢」、「名目GDP 目標600 兆円」等々、言葉が上滑りしている状況ですが、10 月以降の補正予算、法人税低減、日銀の追加緩和(ETF 増額)等の株高政策に期待したいと思います。

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