FM 今週のポイント(9月14日)
*まさしくバンジージャンプ相場でした。先週の日経平均株価は8日に7ヶ月ぶりの安値、17400円台まで下落、9日には21 年7ヶ月ぶりの上げ幅を記録(7%上昇:歴代6位)する等、ボラタイルさが際立つ1週間でした。FOMC を控えて大方の投資家が身動き出来ない中でCTA 等の短期投機家が大活躍した場面でした。一応、メジャーSQを通過して今週の国内株式市場のボラティリティは低下が見込まれますが、外部要因に振り回される展開は相変わらず継続と思われます。
*8月中旬以降の下落相場は市場センチメントの悪化によるところが大きいと思われます→ファンダメンタルズに大きな変化はなく、アベノミクス相場開始以来繰り返されたリスクオン・オフ相場の範疇に留まっています。今回の始点は8月11 日に突然行われた人民元の切り下げ(競争力向上による輸出拡大)です→マーケットは中国経済の減速懸念を高めることになりました(上海総合指数の暴落に伴うなりふり構わない政府の市場介入と併せて、「それほどまでに中国経済は弱いのか」と認識)。中国経済の減速懸念は資源価格の一段の下落、新興国の通貨安(「Troubled10=輸出に占める対中国比率の高い新興国、人民元安で中国と比べ価格競争力が低下しそうな新興国:ブラジル、ロシア、南ア、コロンビア、台湾、韓国、タイ、シンガポール、チリ、ペルー」)、経済悪化の観測を呼びました。さらに利上げ開始のタイミングにあるFRB の金融政策に不透明感を齎しました。
*早期利上げするのかしないのか、利上げできる環境にあるのか無いのか?→世界のマーケット参加者の思考を複雑化させています。そもそも8月初には9月利上げをある程度織り込んでいました(FFレート先物の水準からは50%以上の確率を想定)。イエレン議長が5月に年内の利上げ開始を示唆したこともあり、NY株式市場は順調に下落、利上げのネガティブインパクトを最小限に抑える自律調整に入っていました。過去のパターンから見ると、利上げ時のNY株式市場の調整は3ヶ月、10%程度です→8月初までで調整をほぼ終了したと考えていました。しかし中国発のリスクオフの結果、マーケットは疑心暗鬼に陥り、米国の利上げそのものに自信をなくしています(従来は利上げ=景況感の拡大=株高)。「中国の景気悪化が世界的な下振れにつながりかねない時に米国は利上げをしても良いのか?」、「雇用統計等を見る限り足元の米国経済は順調だが、3ヶ月後、6ヶ月後本当に大丈夫か?」→疑念が投資家心理を大きく冷え込ませています。
*そこで、今週のポイントは言うまでもなく16、17 日のFOMC です。9月利上げ見送りの可能性が高いと思われます(あくまで慎重なイエレン議長)。焦点は記者会見です→「今回は中国等の経済情勢見極めのために、利上げを見送った」、「しかし米国経済は順調に拡大傾向にあり、中国等の影響は限定的」、「年内早期の利上げが必要」等の発言から米国経済の強さ、年内の利上げの可能性が示唆されればマーケットは安心感からリスクオフモードを脱却するものと思われます。逆に、利上げがあった場合→仮にショック安があってもポジションテイクの好機です。利上げをめぐる不透明感が払拭されることが最大の買い材料だからです。
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