FM 今週のポイント(6月8日)
*押し目待ちに押し目無し。日経平均株価が12 連騰を記録しました⇒連騰後の相場が気になるところです。12 連騰以上は過去5回あります(1960 年12 月:14 連騰、1988 年2月:13 連騰、1986年3月:12 連騰、1952 年6月:12 連騰、1953 年1月:12 連騰)。その後の相場状況を調べてみると連騰終了後から1週間の騰落率の平均が2.2%上昇、1ヶ月の騰落率は2.8%です⇒以外に反動安にはならないようです(ちなみに過去5回の平均上昇率は10%を超えている。今回は5%であり、過度に反動安を警戒する必要は無いと思われる)。さらに驚く記録は、今年に入ってから日経平均株価の3日以上の続落が無いことです。今年に入り100 日以上経過していますが、この記録は1960 年以来見当たりません。国内株式マーケットでいったい何が起こっているのでしょうか?、あるいは、これから何が起こるのでしょうか?
*外国人投資家の買い越しが止まりません⇒5月第4週は現物と先物を合わせて7000 億円以上買い越しです(5月1ヶ月で約1兆5000 億円買い越し)。年始からの日米株の騰落率を比較するとSP500 の1.794%上昇に対してUSD ベースのTOPIX は12.85%上昇と大きな格差があります。日米の金融政策の方向性が違うためにドル高円安傾向が継続する見込みで、日本企業の業績の伸びが米国企業を上回るとの思惑から、<日本株>米国株>の構図が定着しているものと思われます。また昨年ほどにドル高モメンタムが強くないことが日本株のドルベース上昇率を高めています。そして、この日米株価のモメンタム格差そのものが足元において海外投資家の日本株買いを加速させている要因です⇒日本株を組み入れないと運用競争に負けてしまいます。外国人投資家の国際分散投資における代表的なベンチマークがMSCI EAFE です⇒日本株比率は22.2%ですが、実際の組み入れは15.9%に過ぎません(出所:MSCI、Bloomberg 等)⇒6.3%アンダーウェートです。仮に≒ウェートまで組み入れを進めた場合30 兆円以上の資金流入が見込まれます(MSCI EAFAをベンチマークとしているファンドは500 兆円程度と推定される)。小泉郵政解散相場と同等の5%程度までオーバーウェートさせた場合は50 兆円以上の資金流入です。そして外国人投資家が日本株を安心して買う理由に日本株の底堅さがあります。言わずと知れた日銀のETF 買い、GPIF 等の年金基金、郵貯・簡保、自社株買い、そして個人投資家の待機資金です⇒前述の3日続落無しの怪現象発生の源です。
*外国人投資家からの資金流入は今のところ債券代替投資であり、パッシブであり、極めて機械的です⇒アクティブ投資家の苦戦が続く所以です。ただし、相場性格に変化の兆しが出ています。先週、TOPIX は陰線で0.4%の下落となりましたが、東証マザーズ指数は0.3%上昇、JQ 指数は2.13%の上昇となりました。米国の9月利上げも確率が高まっています(5月雇用統計大きく上ブレ)(業績相場への移行を促す)。そろそろアクティブ投資家の出番です。
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