FM 今週のポイント(3月23日)
*注目された米FOMCでは、市場の予想通り「patient」が削除されましたが早期利上げ説は後退しました→6月の利上げの可能性を初めて示唆する一方、中期経済予測を大幅に引き下げることで、「事実上のゼロ金利長期化」という市場の期待形成を促しました。イエレン議長は18日の記者会見で「“忍耐強く”を削除したからと言って、(利上げを)辛抱できなくなったわけではない」 と発言しています。市場の一部で囁かれていた早期利上げ観測の後退が決定的になった要因にFOMCメンバーの政策金利予測があります→15年末のFF金利見通しは昨年12月時点の1.125%から0.625%へ引き下げられています(足元の景気減速と低インフレの長期化を懸念)。FOMC後の市場においては依然として9月利上げ開始観測が有力ですが、賃金動向、インフレ動向を見る限 り、利上げが後ずれする可能性が大きいと思われます。
*米国の利上げがなかなか確信に変わりません(次の一手は利上げと分かっているが、時期が不透 明)。世界の株式市場の方向性も変化が無いと思います→過剰流動性拡大を背景に債券代替のエ クイティシフトが継続します。従って物色の方向性はディフェンシブ、安定業績(高配当)、低ボラティリティです。高すぎて手が出ない医薬品株、食品株がさらに上昇する可能性があると思われます。
*15年振りの高値圏にある日本株、2000年4月12日に付けたITバブル時の高値、20833円を突破して1996年6月26日のバブル崩壊後の戻り高値、22666円を目指す相場が始まったと考えま す(実際にはアベノミクス開始で始まっていますが)。上昇継続の要因は多々ありますが(好需給、好業績等)、日本企業の変化への期待感が大きいと思われます。昨年6月の成長戦略(日本再興戦略)で目玉として登場したコーポレートガバナンスの強化策がじわじわとマーケット参加者の投資意欲を刺激し、実体(企業自身の意識、行動)の変化を促しています。市場では「次のファナッ ク探し」が活発化しています。ファナックは米投資ファンドのサード・ポイントが主要株主になったことでディスクロージャー、株主配分に前向きになったとされていますが、実際はファナッ ク自身の変化でありサード・ポイント云々はきっかけに過ぎないのではないかと考えます。ガバナンス強化は国策であるとともに、ガバナンスをグローバルスタンダードに近づけることで経営戦略の幅が広がり、将来利益が格段に上がる可能性が高いからです。実際に、ファナックはわずか1週間で時価総額が約1兆2000億円も増加しています(時価総額の増加でM&A、資金調達等経営戦略の有効性が高まる)。先週は任天堂が大きく注目されました。DeNA とスマホゲーム事業で資本・業務提携したからです。これまで任天堂は家庭用ゲーム機市場に固執、スマホ時代の負け 組として市場に認知されていました。今回の方向転換は業績、ファンダメンタルズへの影響はま だわかりませんが(課題が多い)、日本企業の変化の象徴の一つと捉えることができると思います。前向きな変化を市場は見逃しません。今後、日本企業が溜め込んだ95兆円のキャッシュが有効に活用される期待が徐々に高まると思われます→長期上昇相場の原動力です。
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