FM 今週のポイント(3月16日)
*先週末、日経平均株価が19000円をあっさりと突破しています。NY株高(2月小売売上高の予想外の低下から利上げ観測が後退)、SQ通過(SQ値:19225:幻のSQ回避)を背景に堅調に推移しました。さらにファナック(6954)がディスクローズ重視姿勢を鮮明にしたことで13.2%上昇(日経平均株価を123 円押し上げた:今年の日本株を診る上で重要な事象として記憶に留める必要がある)、類似の値嵩優良株(6861:キーエンス、6273:SMC等⇒株主重視姿勢に難がある優良銘柄=会社に方針転換で市場の評価が激変する期待、値嵩であることから分割も期待できる(直近のOLCを連想))も大幅高となり終日堅調相場が展開されました。
*3月中旬に19000円台を突破した背景はグローバルなマネーフローの変化が大きなポイントとなっています。2月の雇用統計以来、景況感の拡大を背景に6月のFOMCでの政策変更(ゼロ金利解除)が意識され、NY株式市場は調整含みで推移しています。金利上昇による需給懸念、実体経済への影響見極め等はもちろんですが、日欧との金融政策の方向性の差から来るドル高進行 が米企業(グローバル企業)の収益率を悪化させる懸念が大きくなっているからです⇒SP500ベースで1-3月期のEPSは前年と比較して2.7%減少する見込みです(4-6月期も0.1%減少、15年通期1.7%増加:IBES)。一方、金融緩和継続、通貨安の恩恵を十分に受ける日欧企業のEPSは拡大傾向が鮮明です(ユーロストック600ベースで1-3月期のEPSは5%増加、15年通期6.2%増加、東証1部企業の15年度EPSは22%程度の増加が予想されている)。先駆して割高にある米国株を売却して出遅れ割安な日欧株に資金シフトさせることはファンダメンタルズ的な環境に合致した行動です。NYダウが年初来0.4%ほどの上昇(横ばい)に対して独DAXは20%超の上昇、日経平均株価は10%超の上昇を示しています。
*しかも日本株の底堅さは需給的に折り紙つきです⇒巷5頭のクジラと称されるGPIF、共済、簡保、郵貯、日銀が押し目を着実に拾ってくれると考えられています。オーソドックスなロングオンリーは、それでも押し目を待つと思われますが、目先勝負の短期筋(HF、CTA等)は下方硬直性に乗じて上値を煽ることに躊躇ないものと思われます(注目されたGSのTOPIX先物10万枚超の建て玉は6月限にロールオーバーされた)。特に6月に米国の利上げが予想される環境では勝負を急ぐ必要があります(早ければ3月17日、18日のFOMCで転機を迎える可能性がある)⇒短期筋のあせりが想定よりも早い日経平均株価の19000円突破を齎した可能性に留意すべきです。
*速すぎ、行き過ぎた相場は早晩調整局面を迎えると思われますが(早ければ18日のFOMC以降)、 調整場面は軽微かつ短期で終了する可能性が高いと考えています(4月以降調整する場合は1ヶ月半程度、値幅はN225ベースで高値から1000円程度)。需給以上に日本企業の変化の兆し(真 に株主重視姿勢への転換)を評価する相場の始まりが想定されるからです。
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