FM 今週のポイント(1 月19 日)

2015/01/19 <>

*原油安、ユーロ安に端を発した世界的な金融市場の動揺に日本株も巻き込まれています(今さらグローバル化の進展を指摘する必要はありません=世界の中の日本株ですね)。日経平均株価は3週連続の下落となりました(NY株式も3週連続下落)。ただ単に下落が継続しているだけではなく日米ともに大変ボラタイルな状況になっています。日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)は27 まで上昇、米VIX 指数も20 超えが常態化しています。VIの上昇はマーケット参加者の多くがリスクの高まりを予想していることにあります。先週末もスイス国立銀行が突然、ユーロ買い・スイスフラン売りの無制限介入を停止(1ユーロ =1.20 スイスフランが従前の防衛ライン)、買い支えが無くなったユーロはスイスフランのみならず他の主要通貨に対しても急落しました。節目の1ユーロ=1.164 ドル(05 年11 月安値)を割り込み1.156 ドルレベルまで下落、対円でも日銀が追加緩和に踏み切る昨年10 月末以前の水準に逆戻りしています。スイスフラン同様に安全通貨と目される日本円も急騰となり、一時ドル円相場は115 円台を付けています。スイスフランの急騰は世界経済に大きな悪影響を与えるものではありませんが、中央銀行の寝耳に水の行動に一部のマーケット参加者が慌てふためいたことは間違いなく、現状のリスクオフムードを加速させました(当面は何があるか解らないからリスクを取るのをやめておこうという心理)。

*結果、日経平均株価は3週連続下落となり、17000 円を割り込み、25 日移動平均線(1月15 日現在17361 円)を大きく下回っています。下値の目処としては12 月安値の16672 円、75 日移動平均線(1月15 日現在16670 円)、100 日移動平均線(1月15 日現在16419 円)等が意識されています(16 日ザラ場では12 月安値、75 日移動平均線を割り込んだ)。現状では25 日移動平均線が下降しているため、早期に力強い反発で上抜けしない限り下値模索が長引き、リスク度が高まることになります。週末はNY株式が大きく反発、ドル円相場も117 円台を回復、CME 日経平均先物が17000 円台を付けています→今週の早い段階で25 日移動平均線を完全に奪還できるか?、テクニカル的な大きなポイントです。

*今週の重要イベントは何と言っても22 日のECB 理事会です。QE実施が表明されるものと思われますが(スイス国立銀行が無制限介入を停止した背景もECB のQE決定観測にある)、具体的な買い入れスキーム(ユーロ圏各国の国債をECB への出資比率に応じて買い取るのか、 ECB のバランスシートを傷付けないように高格付の国債だけを買い取るのか?)と買い入れ規模(ドラギ総裁はECB のバランスシートを1兆ユーロに拡大すると示唆しており買い入れ規模が8000 億ユーロに達する可能性がある)が問題です。また、QE決定によりユーロ安が一段と進行する可能性が高く、一時的にドル換算の過剰流動性モメンタムが低下することも考えられ、短期的に世界的に金融株式市場のリスク度(ボラティリティー)が上昇することも予想されます。ただし、ECB がQEを決断すれば(最低でも5000 億ユーロ)、今年も世界的な過剰流動性モメンタムは拡大することになり世界の株式等リスク資産の上昇に繋がります。従って短期的な波乱場面は中長期的にはエントリー機会を齎すことになると考えられます。短期的なリスクの高まりを中長期的なリターンに繋げる場面です。

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