AmidAホールディングス<7671> 一気通貫型のビジネスモデルのもと、優れたマーケティング戦略を推進

2019/01/11

印鑑を中心としたEC通販事業をインターネット専門で展開
一気通貫型のビジネスモデルのもと、優れたマーケティング戦略を推進

業種: 小売業
アナリスト: 前田 吉弘

◆ 子会社2社で一気通貫型ECビジネスモデルを構築
AmidAホールディングス(以下、同社)は、連結子会社2社を傘下に有する持株会社である。子会社であるハンコヤドットコムは印鑑を中心としたEC通販事業を、AmidAはWEBマーケティングの全プロセスをワンストップで提供するデジタルマーケティング事業を展開している(図表1)。

同社グループは、WEBマーケティングに特化したAmidAとEC通販事業に特化したハンコヤドットコムが連携し、販売戦略の企画からECサイトの構築、広告・SEO対策注1等のサイト集客、EC通販事業(受注、製造・加工、発注、出荷)までグループ内で完結している。この一気通貫型ECビジネスモデルにより、原価率の低減や当日又は翌日出荷を実現している(図表2)。

◆ 印鑑を中心とするSPA型EC通販が主軸事業
同社グループの現在の主軸事業はEC通販事業である。その取扱商材は、印鑑及びスタンプを中心に据えつつ、顧客の幅広いニーズに応えるべく商品アイテム数で約20万SKU(Stock Keeping Unit:最小管理単位)にもおよぶ豊富なラインナップを取り揃えている(図表3)。

同社グループは、EC通販事業のSPA注2化(商品企画からプロモーション、受注から製造・販売まで一貫して行う)を推進している。まずは、主力商品の印鑑及びスタンプを同社グループ(大阪)及び外注先(大阪、東京)の3拠点にて製造することで、原価率の低減を図るだけでなく、当日又は翌日出荷を実現できる体制を構築している。

商材区分の彫刻に区分される印鑑に関しては、1製品を除く全商品をハンコヤドットコム及び外注先で製造しており、その販売本数に占める割合は18/6期で99.8%(印鑑ケース・マットを除く)に達している。また、スタンプ商材の取引先であるシヤチハタ株式会社(名古屋市西区)より機械を購入し、ハンコヤドットコム内でシヤチハタ製品を製造できる環境を整備しており、スタンプについては18/6期で69.6%をハンコヤドットコムで製造している。

◆ 自社サイトの高い集客力を支えるデジタルマーケティング事業
同社は、EC通販事業を自社グループサイトだけでなく、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonといった圧倒的な集客力を誇る有力モールサイトで展開している。しかしながら、WEBマーケティング分野のノウハウを活用し、自社グループサイトの集客力を磨き上げてきた結果、自社グループサイト経由の販売比率は18/6期で94.3%と高い水準にある。

自社グループサイト経由での販売比率が高ければ、モール運営企業に支払うコストが抑制でき、有力モールサイト内で発生しがちな厳しい価格競争に巻き込まれにくく、自社が想定する適正価格での販売が行いやすくなる。この自社グループサイトの高い集客力を支えているのが同社グループのデジタルマーケティング事業である。

WEBマーケティング分野での具体的なサービス内容は、①ECサイトへの集客、②データ分析・改善提案、③システムの開発・保守である(図表4)。なお、直近におけるデジタルマーケティング事業のサービス提供先は、同社グループ内のみとなっている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。