農業総合研究所<3541> 19 年 8 月期は流通総額の増加で投資の費用をカバーして営業黒字化を目指す
新しい農産物流通モデルの「農家の直売所」を運営する農業関連ベンチャー
19 年 8 月期は流通総額の増加で投資の費用をカバーして営業黒字化を目指す
業種: 卸売業
アナリスト: 藤野敬太
◆ 会社概要
・農業総合研究所(以下、同社)は、各地の農業生産者から集荷した農産物を、集荷翌日には都市部のスーパーマーケット等の小売店舗の直売所コーナーで販売する「農家の直売所」の流通モデルを運営している。
◆ 18年8月期
・18/8期の連結業績は、売上高が2,310百万円(前期比39.2%増)、流通総額が8,778百万円(同23.8%増)、営業損失が96百万円(前期は131百万円の利益)となった。自然災害の多発により流通総額こそ期初会社計画を下回ったが、買取委託販売の割合の増加で売上高は会社計画を上回った。また、会社計画通りに投資を実行し、ほぼ計画通りの水準での営業損失となった。
◆ 19年8月期業績予想
・19/8期連結業績について、同社は売上高3,200百万円(前期比38.5%増)、流通総額12,000百万円(同36.7%増)、営業利益50百万円(前期は96百万円の損失)を予想している。物流、IT強化、人員増強の将来のための投資を予定しているが、営業利益の黒字転換を図るとしている。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、19/8期の連結業績予想について、売上高は3,229百万円(前期比39.8%増)、流通総額11,599百万円(同32.1%増)、営業利益50百万円と予想した。流通総額とそれに伴う売上総利益の増加により、投資に係る費用をカバーして営業黒字化する展開を想定した。
◆ 今後の注目点
・当センターでは、20/8期以降、流通総額は年26~34%の増加が続き、また、体制強化のための先行投資の縮小や海外子会社の赤字縮小により、売上高営業利益率は21/8期には10%台まで上昇するものと予想した。
・「売上高の重層化」を目指す19/8期の投資が20/8期以降のサービスの多様化とそれに伴う売上高増にどのようにつながっていくかに注目する。