霞ヶ関キャピタル<3498> 更なる領域拡大による成長を目指す

2018/12/04

自然エネルギー事業と不動産コンサルティング事業が柱
更なる領域拡大による成長を目指す

業種: 不動産業
アナリスト: 副島 久敬

◆ 自然エネルギー事業と不動産コンサルティング事業が中心
霞ヶ関キャピタル(以下、同社)は、「価値の再生」を経営理念とし、潜在する 価値を再生し、価値の化学反応を促進することを目的としている。太陽光発 電を中心とする自然エネルギー事業と、アパートメントホテル(ビジネスホテ ルを簡素化した宿泊施設)や保育園の開発を中心とする不動産コンサルテ ィング事業が主力となっている。18/8 期のセグメント別売上高構成比は自然 エネルギー事業が 49.4%、不動産コンサルティング事業が 40.7%、ショッピ ングセンター事業が 10.0%となっている(図表 1)。

◆ 自然エネルギー事業
自然エネルギー事業は、太陽光発電等の施設の開発及び販売、電気事業 者への売電を行っている。同社の取り扱う自然エネルギーは一般的に再生 可能エネルギーと呼ばれ、永続的に利用可能である。再生可能エネルギー 発電施設の事業開発から販売までの流れは、案件の発掘、許認可取得等 の権利の整理、設計・造成等の詳細プランニング、資金調達、施設の建設、販売となっており、同社はこの一連のプロセスの全般の指揮・監督を担って いる。

同社は再生可能エネルギー発電施設の立ち上げ、運営、プロジェクトマネ ジメントのノウハウ等を有する専門人材を擁しており、独立系の事業者として、 案件毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発をしている。同社の自 然エネルギー事業のビジネスフローは図表 2 の通りとなっている。

同社は、開発した太陽光発電設備は基本的には外部へ売却することを原 則としており、案件の発掘から販売までの期間は 1 年程度となっている。売 却済の太陽光発電設備は 11 件、出力合計で 19MW となっている。

また、テストケース等として一部を保有し、自社で発電した電力を固定価格 買取制度に則り、電力事業者に販売している(図表 3)。

◆ 不動産コンサルティング事業
不動産コンサルティング事業は、投資家視点での土地の有効活用や新たな 投資商品の組成のため、収益不動産(アパートメントホテル、保育園等)の 開発や、資産運用のコンサルティングを行っている。

収益不動産の開発は、土地を取得して収益不動産の開発を行うことや、既 存の物件を取得してリノベーションやコンバージョン(建物の用途変更)する ことで、バリューアップし投資家に販売している。

コンサルティング事業は、同社の不動産に関する知見と経験を活かし、不動 産活用に係る戦略立案等、投資家に付加価値を提供している。

不動産コンサルティング事業のビジネスフローは図表4の通りとなっている。

◆ ショッピングセンター事業
同社は東日本大震災により被災したショッピングセンターフォルテ(宮城県 柴田郡大河原町)を再生することを目的として取得し、ショッピングセンター 事業を行っている。

11 年の取得後、13 年に太陽光発電設備の設置、15 年にテナントをスーパ ーやドラッグストア等の地域密着のものに入替、18 年に「ユナイテッド・シネ マ」を誘致し、現在ほぼ 100%稼働の状況となっている。

>>続きはこちら(1.07 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。