ファイズ<9325> 当面は顧客の物流量の増加を追い風に成長する展開が続く見込み

2018/10/16

ECサイト運営企業に特化してワンストップの物流サービスを提供する企業
当面は顧客の物流量の増加を追い風に成長する展開が続く見込み

業種: 倉庫・運輸関連業
アナリスト: 藤野敬太

1.会社概要
・ファイズ(以下、同社)は、顧客をECサイト運営企業に特化してワンストップで物流サービスを提供する企業である。物流プロセスの全体をカバーするが、物流拠点内のオペレーションサービスが中心である。

2.財務面の分析
・15/3期~18/3期は、主要顧客の物流量の増加を背景に、年平均50.2%の増収、同156.2%の経常増益となった。13年10月の設立以来、増収増益が続いている。
・3PLを展開する上場企業との比較では、収益性や安全性の指標での優位性が目立ち、小規模ながら、身軽なバランスシートのもとで高い利益率で事業を回すことにより、自己資本を厚くしていく状況にあると言えよう。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、物流業務に関して蓄積されてきたノウハウ(組織資本)にある。スタッフの直接雇用と人材育成、業務プロセス管理の徹底により、顧客へのソリューション提供力を磨き上げ、関係資本に分類される主要顧客の信頼を深めていった。その結果、委託増加、体制強化、ノウハウの更なる蓄積という好循環が生まれ、成長の原動力となっている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、人材の強化、ブランディングの強化、属人的なノウハウに依存しない仕組みづくりの強化が挙げられる。
・同社は、既存事業の安定成長基盤の強化と、新しい成長牽引役の育成という基本方針を掲げ、人材を中心とした経営資源の強化と、IT技術を活用したビジネスモデルの深化と進化を図るとしている。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、短い社歴ながら主要顧客の信頼を得て増収を続けてきた点を評価している。顧客の信頼を裏付けるソリューション提供力を磨いてきたことがその要因のひとつだが、一方で主要顧客に業績の過半を依存するリスクもある。今後は主要顧客以外の顧客開拓が中長期の業績の安定性につながろう。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。