中村超硬<6166> 市場環境の急変が直撃し、19年3月期会社計画は赤字転落へ大幅下方修正
太陽電池用のウエハ切断に用いられるダイヤモンドワイヤの製造が主力
市場環境の急変が直撃し、19年3月期会社計画は赤字転落へ大幅下方修正
業種: 機械
アナリスト: 藤野敬太
◆ 会社概要
・中村超硬(以下、同社)は、ダイヤモンドの微細加工技術をコア技術とするメーカーで、現在の主力事業は、太陽電池用のシリコンウエハのスライス加工の工程で用いられるダイヤモンドワイヤの開発、製造である。
◆ 18年3月期決算
・18/3期決算は、売上高が12,140百万円(前期比143.2%増)、営業利益が1,570百万円(前期は1,653百万円の損失)となった。17/3期に悪化した主力のダイヤモンドワイヤへの需要急回復を受けて期中に会社計画は上方修正された。しかし、18年2月頃より市場環境が急変し、売上高は修正後の会社計画を下回った。
◆ 19年3月期業績予想
・19/3期業績について、同社は売上高7,500百万円(前期比38.2%減)、営業損失2,300百万円(前期は1,570百万円の利益)を計画している。8月8日に期初の売上高15,000百万円、営業利益1,650百万円から下方修正され、赤字の計画に転じた。ダイヤモンドワイヤを巡る市場環境の急変が背景にある。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、19/3期の業績予想を、売上高7,579百万円(前期比37.6%減)、営業損失2,290百万円へ修正した。ダイヤモンドワイヤの販売価格が18年7月の水準から大きく下がらず、19/3期末に向け販売量が緩やかに回復することを前提とした。
◆ 今後の注目点
・当センターでは、同社の細線化の前倒しの施策で20/3期以降はダイヤモンドワイヤの業績回復が進み、21/3期には売上高営業利益率が11.5%まで回復すると予想する。今回のような中国政府による政策変更等の外部環境の急激な変化がないことを前提としている。
・新規事業は現段階では業績には大きく織り込んでいないが、その進捗には引き続き注意を払っておきたい。