マリオン<3494> マリオンボンド及びインターネットでの申込が可能なサラリーマンボンドを提供

2018/09/20

不動産特定共同事業法に基づき不動産賃貸料を原資とする証券化商品を組成
マリオンボンド及びインターネットでの申込が可能なサラリーマンボンドを提供

業種:不動産業
アナリスト: 副島久敬

◆ 不動産賃貸、賃貸料を原資とした不動産証券化商品を提供
マリオン(以下、同社)は、不動産特定共同事業法注1(以下、不特法)に基づき不動産賃貸、賃貸料を原資としたクラウドファンディング型不動産証券化商品の提供及びそれらに付随する不動産売買等からなる不動産賃貸関連サービスを展開している。17/9 期の事業別売上高は不動産賃貸サービス事業が37.2%、不動産証券化サービスが20.8%、不動産売買事業が41.8%、その他が0.2%となっている(図表1)。

◆ 不動産賃貸サービス
不動産賃貸サービス事業は、所有物件を同社自らが賃貸人として賃借人に提供する長期保有物件賃貸サービス、第三者所有の不動産を同社が一括して借り上げこれを最終賃借人に転貸するサブリースサービス、及び第三者所有の賃貸不動産に管理サービスを提供する受託物件サービスの3 種類から成る。

同社の長期保有物件賃貸サービスは、首都圏を中心に、札幌、盛岡、名古屋、京都、岡山、倉敷、福岡等の主要都市において、居住者向け、中でも単身者向けの賃貸不動産を中心に所有・運営している。

17/9 期末の同社の長期保有物件(同社所有物件のうち以下記載の不動産証券化サービス対象物件を除いたもの)は512 戸、17/9 期の物件売却を除く売上高に占める比率は50.4%である。また、物件種別内訳は、住居407 戸(長期保有物件の79.5%)、店舗・事務所28 戸(同5.5%)、駐車場77 台(同15.0%)である(図表2)。

サブリースサービスは、同社からの賃貸物件購入者または第三者が所有する賃貸不動産を同社が一括して借り上げこれを最終賃借人に転貸するものである。受託物件サービスは、第三者保有不動産に、賃借人募集、賃料の収受、建物管理等の賃貸関連管理サービスを提供するものである。

17/9 期末の同社のサブリース及び受託物件は224 戸、17/9 期の物件売却を除く売上高に占める比率は13.5%である。また、物件種類別内訳は、住居202 戸(サブリース及び受託物件の90.2%)、店舗・事務所6 戸(同2.7%)、駐車場・駐輪場16 台(同7.1%)である(図表2)。

◆ 不動産証券化サービス
不動産証券化サービス事業は、不特法に基づく許可を取得し、マリオンボンドの名称のもと、不動産賃貸料を原資とする証券化商品を組成し投資家に提供、または、サラリーマンボンドの名称のもと、インターネットでの申込が可能なクラウドファンディング型不動産証券化商品を提供している。

同社が提供している不動産証券化商品は、同社保有又は新規仕入れ賃貸不動産を原資産に、投資家との間で不動産特定共同事業契約(匿名組合型)を締結することにより不動産賃貸業務を同社と投資家の共同事業とし、営業者としての同社が不動産の所有にかかるリスク、及び賃貸業務運営の

責任を負担した上で、投資家と賃料をシェアすることにより賃料収入を投資リターンとして分配している。

同社は投資家と不動産特定共同事業契約を締結することで、不動産市況の低迷時等、金融機関からの資金調達が難しい金融環境下での不動産仕入れを可能としていることに加え、契約期間の長期化や満期到来時の契約の更新等により、不動産保有に係わる市況リスク対応の選択肢の多様化も可能としている。

17/9 期末現在で証券化商品の一般投資家への販売累計額は、マリオンボンド、サラリーマンボンド合計で11,930 百万円に達している(図表3)。累計出資者数は3,913 人、出資者のリピート率も81.5%と高い水準となっている。17/9 期末現在の匿名組合預り金残高は6,126 百万円である。

17/9 期末の同社の証券化サービス対象の賃貸物件は538 戸、17/9 期の 物件売却を除く売上高に占める証券化サービスの売上高の比率は35.7% である。また、物件種類別内訳は、住居389 戸(証券化サービス対象物件の72.3%)、店舗・事務所15 戸(同2.8%)、駐車場134 台(同24.9%)である。

◆ 不動産売買
同社は、賃貸不動産ポートフォリオの増強、新規証券化商品の組成、既存の投資家に対する代替商品の仕入れ等の目的で、不動産を購入している。また、所有している不動産を不動産賃貸サービス対象不動産及び不動産証券化サービス対象不動産の出口戦略の一環として売却している。

これら不動産売買は、不動産賃貸サービス、不動産証券化サービスのいずれについても、同社のビジネスの長期的なサイクルの一環として実施されている。売買時期を適切にすることで同社の不動産賃貸関連サービス総体としての保有不動産から還元される利益を最適化している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。