イボキン<5699> 解体事業を成長ドライバーとして育成

2018/08/20

解体工事・産廃処理・金属加工を通じて総合リサイク事業を営む
解体事業を成長ドライバーとして育成

業種: 鉄鋼
アナリスト: 小枝 善則

◆ 総合リサイクル事業を営む
イボキン(以下、同社)は廃棄物から金属類などを再生原料として選別・加工するリサイクル業者である。17/12期のセグメント別売上高構成比は解体事業が17.1%、環境事業が23.2%、金属事業が59.7%となっている(図表1)。解体事業で発生した瓦礫などの産業廃棄物を、環境事業や金属事業において再生資源として利用できるものに選別・加工するというリサイクル・フローを形成している。

解体事業では建築構造物やプラント等の解体工事を請け負っている。同社は特定建設業注の許可を有しているため、元請けとなって工事を受注することができ、18/12期では元請け比率は60%(17/12期は46.7%)まで向上する計画である。

実際の解体工事の施工は協力会社6社に下請けに出していたが、17年4月にそのうちの1社である国徳工業の株式を取得し完全子会社としている。国徳工業は種子島ロケット発射台や発電設備、石油・化学プラントなど複雑な大規模工場の解体工事を担当しており、その施工能力を強化することにより営業エリアや事業領域の拡大を図る意向である。

環境事業においては先ず産業廃棄物を収集しなければならないが、産業廃棄物の収集については、1)工場や工事現場で発生する産業廃棄物を排出事業者から処理料金を受け取って収集する、2)同社の解体事業が請け負った解体工事からの瓦礫などの廃棄物を利用する、3)金属類などリサイクルできるものが多く含まれる、使用済みとなった自動販売機やATM などの電子機器類、厨房用大型冷蔵・冷凍設備、空調装置などを同社が代金を支払い仕入れるといった収集方法がある。

集荷した産業廃棄物を収集・運搬し、主として同社の中間処分工場において、それを選別し破砕・圧縮・切断などの加工を行っている。収集した産業廃棄物の中で、金属スクラップ類は金属事業部門で選別・加工される。また、木材やプラスチックなどは石炭代替燃料としてセメントメーカーなどで利用され、最終処分費用の低減につながっている。なお、再生資源として販売できないものは、焼却や埋立処分は他の事業に料金を支払って最終処分を委託する。

環境事業の売上高は産業廃棄物の処理と再生資源の販売で構成されるが、それぞれの売上高は内部取引を含めると概ね同程度とのことである。また、自社でも安定型最終処分場を管理・運営しているが、延命させるため、最終処分は出来るだけ他社に委託している。

金属事業では同社の解体事業や環境事業から持ち込まれるもののほか、別途、金属スクラップを工場や工事現場などから代金を支払って回収している。その後、切断・圧縮・選別などの加工を施した後、製鋼メーカーや商社などに販売している。また使用済み自動車を解体し金属スクラップや自動車部品として販売することも行っている。

>>続きはこちら(961 KB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。