プロレド・パートナーズ<7034> 成果報酬型コンサル市場の先駆者として18 年 10 月期も高成長持続の見通し

2018/08/13

完全成果報酬型コンサルティングサービスを展開
成果報酬型コンサル市場の先駆者として18 年 10 月期も高成長持続の見通し

業種: サービス業
アナリスト: 藤野 敬太

◆ 完全成果報酬型のコンサルティングサービスを展開
プロレド・パートナーズ(以下、同社)は、完全成果報酬型のコンサルティン グサービスを提供する企業である。成果測定が必須であるため、コストマネ ジメント分野でのコンサルティングに強みを有している。

同社の事業は、コンサルティング事業の単一セグメントだが、クライアント企 業のコスト削減を目指す「ローコスト戦略」とその他の経営コンサルティング の 2 つのサービス区分に大別される(図表 1)。具体的な数値の開示はない が、売上高の大半が「ローコスト戦略」によるものと推察される。

◆ 完全成果報酬型コンサルティングのビジネスモデル
一般的なコンサルティングにおけるプロジェクトの売上高は、「投入されるコ ンサルタントの稼働量(稼働時間の総量)×コンサルタントの単価」で決定さ れ、プロジェクトの成否に関係なく、固定報酬としてクライアント企業に課金 される。

それに対し、同社のコンサルティングは完全成果報酬であり、成果が出て初 めてクライアント企業に課金される。しかも、その金額は、コンサルタントの稼 働量に関係なく、コンサルティングによって得られた成果(コスト削減等)に 見合った金額となる。クライアント企業と成果をシェアする形をとるため、同 社の完全成果報酬型のコンサルティングは、クライアント企業のニーズによ り合致する課金体系と言えよう。

なお、同社のコンサルティングは成果確認時点で終了ではなく、契約に基 づき一定期間、継続的にサポートするため、成果報酬も複数年に亘って課 金されるようになっている。その結果、過去のプロジェクトの成果から売上高 が計上される、一種のストック型収益モデルとなっている。

一方で、同社にとっては、将来の不確実な売上高のために、コンサルタント の稼働にかかる費用を先行させることとなり、成果が出ない場合は無報酬と なる。また、成果報酬型であるが故に、クライアント企業と共有できる効果測 定を行うことが必要不可欠となる。そのためにも、コンサルティング業務を標 準化し、成果測定を続けてデータやノウハウを蓄積し、コストマネジメントの 平均削減率(「コスト削減できた費用」÷「コスト削減前に支払っていた商品・ サービスの費用」)や、コンサルティングの平均プロジェクト期間(キックオフ から成果確定までの期間)を KPI 注 1 として管理している。

平均削減率は 15/10 期 4.7%、16/10 期 6.2%、17/10 期 7.9%と上昇し、平均 プロジェクト期間は 15/10 期 10.4 カ月、16/10 期 7.6 カ月、17/10 期 5.4 カ月 と短縮し、両指標とも改善が続いている。

◆ ローコスト戦略
効果測定が必要不可欠なことから、同社の完全成果報酬型コンサルティン グは、効果測定のしやすい分野で特に威力を発揮する。それが、クライアン ト企業のコスト削減を目指す「ローコスト戦略」のサービスである。販売費及 び一般管理費(以下、販管費)を左右する間接材や、原価を左右する直接 材のコストマネジメントを行う「間接材/直接材マネジメント」、クライアント企業 の購買機能を請け負うとともに業務改善にまでつなげていく「BPO注 2/BPR注 3」の 2 つのソリューションで構成される。現在の同社の売上高の大半が、こ の「ローコスト戦略」からのものとなっている。

◆ その他経営コンサルティング 
費用削減以外のソリューションは「その他経営コンサルティング」に分類され る。具体的には、販売価格を見直す「マーケティング戦略」、法人営業を強 化する「営業戦略」、企業不動産の最適運用を図る「CRE 注 4 マネジメント」と いったソリューションがある。

「その他経営コンサルティング」のソリューションも、完全成果報酬型となって いる。

◆ 同社の強み
同社の特色及び強みとして、(1)他社に真似されない、参入障壁の高い完 全成果報酬型コンサルティングのビジネスモデル、(2)コンサルティングの パッケージ化による効率化とクオリティの平準化、(3)成果測定等のノウハウ の蓄積が挙げられる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。