バンク・オブ・イノベーション<4393> デザインを重視した開発体制に特徴があり、自社 IP の活用と確立に専念
スマートフォン向けゲームアプリケーションの開発、及び運営会社
デザインを重視した開発体制に特徴があり、自社 IP の活用と確立に専念
業種: 情報・通信業
アナリスト: 松尾十作
◆ ゲームアプリケーションのアイテム課金が収益源
バンク・オブ・イノベーション(以下、同社)は、スマートフォン(以下、スマホ) 向けゲームアプリケーション(以下、ゲームアプリ)を開発し、Google Inc.及 び Apple Inc.等が運営するプラットフォームを通じてゲームアプリを提供して いる。事業はスマートフォンゲーム事業の単一セグメントとなっている
同社のゲームアプリは、プラットフォームのなかでプレーヤーが無料でダウ ンロードできる。一方でプレーヤーがゲームをより深く楽しめるようにゲーム 内で使用する一部のアイテムを、同社はゲームアプリのなかで、プラットフォ ームを通じてプレーヤーに有料販売(アイテム課金)している。
アイテム課金が同社の主な収益源であるが、プレーヤーからのアイテム課 金等から決済手数料及びプラットフォーム手数料注 1 を差し引いた金額を、 プラットフォーム運営企業から、同社は受け取っている。このため、同社の直 接の販売先はプレーヤーではなくプラットフォームを運営している企業とな っている(図表 1)。
同社が開発、及び運営しているゲームアプリは、スマートフォンゲーム事業 を開始した12年にリリースした「征戦!エクスカリバー」をはじめ4 タイトルで ある(図表 2)。同社のゲームアプリが全て RPG 注 2 であるのは、同社の特徴 であるデザイン主体の開発体制を活かせるゲーム形態であると同社が捉え ているためである。
「幻獣契約クリプトラクト」は、自社 IP(Intellectual Property:知的財産)として 他社に著作物の利用許諾を行っている。利用許諾の具体例としては、ゲー ムを楽しむための攻略本や家庭用ゲーム機器向けのゲームアプリ向けが挙 げられる。「ポケットナイツ」だけは、他社の IP を利用して同社が開発したゲ ームアプリである。
15 年 2 月にリリースした「幻獣契約クリプトラクト」は、17 年 9 月でリリース後 32 カ月が経過したが、17/9 期で売上構成比の 75.1%を占めた。スマホゲー ムアプリの平均的な寿命は、大ヒットタイトルで 2 年くらい、ヒットタイトルで 1 年くらいとも言われているなか、比較的健闘していると思われる。18/9 期第 2 四半期累計期間(以下、上期)では、「幻獣契約クリプトラクト」の売上構成比 は 50.0%となり、また、17 年 8 月にリリースした「ミトラスフィア」が 45.2%を占 めるまでに成長している(図表 3)。