フェニックスバイオ<6190> 北米事業が再度下ぶれ要因となっており、北米事業の安定化が急務

2018/07/11

創薬の前臨床試験のためのPXB マウスを提供
北米事業が再度下ぶれ要因となっており、北米事業の安定化が急務

業種: サービス業
アナリスト:難波剛

◆ 前臨床試験のためのPXB マウスを提供している企業
・フェニックスバイオ(以下、同社)は、前臨床試験までの段階において、創薬におけるヒトへの影響度の確認を行うための動物として、PXB マウスと呼ばれるキメラマウスを提供している企業である。

◆ 18 年3 月期は26.6%減収、268 百万円の営業赤字
・18/3 期の連結業績は、売上高902 百万円(前期比26.6%減)、営業損失268 百万円と、3 月15 日に発表した下方修正の内容に沿ったものとなったが、前期2 度目、17/3 期から通算3 度目の下方修正であり、非常に厳しい内容であった。

・肝炎関連売上は、大手製薬企業が業績悪化により研究開発予算を抜本的に見直したことにより、大規模な受託見込み案件を受注できなかった。また、DMPK/Tox・その他は、海外において新規の受注が想定通り進まず、両サービスとも2 割を超える減収となった。

◆ 18 年3 月期業績予想
・同社は、19/3 期の連結業績について、売上高1,498 百万円(前期比66.0%増)、営業利益124 百万円を見込んでいる。

・証券リサーチセンターでは、19/3 期の業績予想について、同社の過去の複数回の下方修正を考慮し、売上高1,439 百万円(前期比59.5%減)、営業利益98 百万円、経常利益96 百万円、親会社株主に帰属する当期純利益82 百万円と会社想定より保守的な予想とした。

◆ 投資に際しての留意点
・同社は、損益分岐点売上高が高い一方で、限界利益率が高い為、計画に対して売上高が上下にぶれた際の営業利益の変化幅が大きい。加えて、KMT 社の買収により海外売上比率が更に高まるため、為替変動が今後より大きな業績変動要因となる点にも留意が必要である。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。