シンシア<7782> OEM レンズ売上の落ち込みを自社ブランド製品で補えず大幅減益予想

2018/05/15

コンタクトレンズのファブレス製造・販売会社
OEM レンズ売上の落ち込みを自社ブランド製品で補えず大幅減益予想

業種: 精密機器
アナリスト: 難波 剛

◆ 使い捨てコンタクトレンズのファブレス製造・販売会社
・シンシア(以下、同社)は、1 日使い捨て、2 週間交換、1 カ月交換タイプ といった使い捨てコンタクトレンズを中心としたコンタクトレンズのファブレ ス製造・販売会社である。

◆ 17 年 12月期実績と業績予想
・17/12 期の連結業績は、最大手顧客からの受注が振るわず、売上高 4,343 百万円(前期比 11.7%減)、営業利益 270 百万円(同 53.3%減)で あった。18/12 期は、新製品投入までの端境期に当たる中、広告宣伝 費を積極的に投入する計画で、同社は売上高 4,133 百万円(同 4.8% 減)、営業利益 65 百万円(同 75.8%減)を見込んでいる。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、18/12 期業績について、 売上高 4,148 百万円(前期比 4.5%減)、営業利益 77 百万円(同 71.3% 減)と予想する。特にカラーコンタクトレンズの OEM 売上高が、一部顧客 の事業撤退等の影響もあり、大幅減少を予想する。
・19/12 期、20/12 期については、足元で行っているブランド力強化、販路 拡大、新製品投入が徐々に貢献することを予想し、増収率は2 年連続で 3.9%を見込む。広告宣伝費を大幅に増加させたのちは、徐々に減少さ せる前提で、営業増益率は、それぞれ 89.8%、28.5%を予想する。

◆ ブランド力の強化
・同社は、インターネット通販の競合激化で差別化が難しくなる中、自社ブ ランド製品の強化に取り組んでいる。ブランド確立のための広告宣伝費 増、新製品開発、新販路の開拓等行っており、先行投資期にあたる。来 期以降は、これら施策の成果次第で、業績が急回復する可能性がある。

◆ 投資に際しての留意点
・同社の売上の約 5 割を OEM 売上に依存している。OEM 売上は、自社 ブランド製品の売上と比較して、販売先企業の都合、需要等で大きく変 動する。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。