エヌリンクス<6578> 賃貸住宅仲介ビジネスとゲーム攻略サイトを育成へ

2018/05/11

NHKの放送受信料の契約・収納代行業務が主力
賃貸住宅仲介ビジネスとゲーム攻略サイトを育成へ

業種: サービス業
アナリスト: 小枝善則

◆NHKからの業務受託が現在の収益柱
エヌリンクス(以下、同社)の現在の収益の柱はNHKの放送受信料の契約・収納業務を代行する営業代行事業であり、10 年3 月の同社設立以降、NHKから継続して受託している。18/2 期のセグメント別売上構成比をみると営業代行事業が80.0%、メディア事業が19.6%、その他事業が0.4%となっている(図表1)。

営業代行事業では基本的に行政区単位の入札によって契約を獲得するが、同社は18/2 期末の時点で28 件の契約を締結している。契約期間は1 ~5 年であるが、契約数を増やすことで成長を続けている。また受け取る業務委託費は固定部分と成果報酬部分に分かれるが、ウエイトは後者の方が高いようである。

メディア事業は大きく賃貸住宅仲介関連の「イエブラ」とゲーム攻略サイト「アルテマ」を運営するビジネスからなっており、18/2 期の売上高は「イエブラ」が404 百万円、「アルテマ」が370 百万円となっている。

「イエブラ」のビジネスは、部屋探しにおけるコンシェルジェの機能をもつサイト「イエブラ」と仲介店舗である「家AGENT」を通じて事業を行っている。「イエブラ」はチャットによって部屋を探す人の相談に応えるサイトであり、これを通じて「家AGENT」に送客するか、あるいは提携する不動産会社の物件を紹介し、その不動産会社から紹介料を受取る仕組みとなっている。ただ「イエブラ」のサイトでは現在のところ首都圏と関西の8 都府県の物件が紹介可能となっているが、物件は仲介業者の共通のデータベースや大手の提携先から集めている。

「家 AGENT」は現在、東京の池袋と渋谷、大阪に3 店舗を構え、入居者からは仲介手数料を受け取るとともに入居者を募集する不動産管理会社からは広告料を徴収している。「家AGENT」の収入も大部分はコンシェルサイトである「イエブラ」からの送客が出発点となっており、このサイトの会員を増やすことが「イエブラ」のビジネス全体を成長させるうえで重要となる(図表2)。

また「アルテマ」は15 年2 月にリリースしたゲーム攻略サイトだが、これまでのところ順調にページビュー(以下、PV)を増加させている(図表3)。現在はゲーム会社などから受け取る広告料や攻略サイトの記事作成料が収益の中心である。また、その他事業では求人広告の代理店業務などを行っている。
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資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。