アイペット損害保険 <7323> ペット共生社会の実現に貢献しつつ、さらなる成長を目指す

2018/05/09

ペット保険業界で大手 2 社の一角
ペット共生社会の実現に貢献しつつ、さらなる成長を目指す

業種: 保険業
アナリスト: 前田 吉弘

◆ 契約シェア第 2位のペット保険専業の損害保険会社
アイペット損害保険(以下、同社)は、「ペットとの共生環境の向上とペット産 業の健全な発展を促し、潤いのある豊かな社会を創る」という経営理念のも と、04 年よりペット共済事業(08 年からはペット保険事業)を運営している。

同社が保有する 18 年 2 月末の保険契約数は 35 万件を突破し、業界大手 2 社の一角として、①顧客の様々なニーズに対応した商品ラインナップ、② ペットショップ代理店をはじめとする強力な販売チャネル、③動物病院での 窓口精算に対応した保険金支払いシステムなどを確立している。

商品としては、ペットの通院から入院・手術まで幅広くカバーした犬・猫向け ペット医療費用保険である「うちの子」及び「うちの子プラス」、手術と手術を 含む連続した入院に補償を限定し、保険料を抑えたペット手術費用保険「う ちの子ライト」、鳥・うさぎ・フェレット向けのペット医療費用保険「うちの子キュ ート」を販売している。

「うちの子プラス」と「うちの子キュート」はペットショップ代理店専用商品であ り、ともにペット購入日のみ加入可能ながら当日から補償がスタートする。前 者はペットの体調が不安定になりやすい“生体購入後1カ月間”は診療費を 100%補償するという、ペットショップ経由ならではの内容となっている。

同社の販売チャネルは、ペットショップ代理店及び一般代理店等からなる代 理店チャネルとインターネット等を通じて募集を行うダイレクトチャネルの 2 つに分類される(図表 1)。

同社の代理店数は 18 年 2 月末時点で全国に 875 社あるが、うちペットショ ップが 688社(1,640 店舗)と中核を占め、一般代理店は訪問相談や来店型 保険ショップ、保険比較サイト等など187社(816店舗)となっている。代理店 は、同社に代わって保険募集を行い、保険契約者からの申込みを受付ける ことで、同社から代理店手数料を得る。

ダイレクトチャネルは、顧客が同社コンタクトセンターから商品説明を受ける か、同社が提供する資料やウェブサイト等の内容を確認の上、契約申込み と保険料支払い手続きを行うものであり、同社ウェブサイトでは、資料請求 や保険料の見積もりだけでなく、保険契約締結まで、全て非対面による手 続きが可能となっている。17 年 4 月から 18 年 2 月までの新規契約のうち、 約 4 割がインターネット経由での申込みであった。

同社は、損害保険会社として重要な責務である保険金等の支払いについ て、顧客が利用する動物病院によって二通りの方法で行っている。同社と 提携している「アイペット対応動物病院」で診療を受けた場合、顧客は動物 病院窓口で同社発行の保険証を提示することにより診療費から補償額が控 除され、自己負担分のみを支払えばよい。この「アイペット対応動物病院」は 18 年 4 月 1 日時点で全国に 4,421 病院あり、同社の保険金請求件数の約 8 割が窓口精算によるものである。「アイペット対応動物病院」以外で診療を 受けた場合、顧客は一旦診療費全額を支払い、その後、保険金請求書類 を同社に郵送する。同社は書類受領後、原則 30 日以内に補償割合に応じ た保険金を顧客に支払う(図表 2)。
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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。