ズーム<6694> 楽器を演奏するエンジニア集団が開発する新製品により今後も成長が期待できる

2018/05/08

音楽用電子機器のグローバルニッチプレーヤー
楽器を演奏するエンジニア集団が開発する新製品により今後も成長が期待できる

業種: 電気機器
アナリスト: 大間知淳

1.会社概要
・ズーム(以下、同社)は、プロからアマチュアまでの幅広い顧客層を対象に開発した音楽用小型IC レコーダーなどの音楽用電子機器を約130 カ国で販売する独立系のグローバルニッチプレーヤーである。
・日本の本社は楽器を演奏するエンジニア集団による開発業務と国内外のマーケティング支援業務にほぼ特化しており、生産は中国のEMS 企業に委託するファブレス体制を採用している。海外販売については、米国と英国は持分法適用関連会社を、その他の国は各国の販売代理店を経由しており、17/12 期の海外売上高比率は88.2%となっている。

2.財務面の分析
・14/12 期~17/12 期の期間では、新製品の発売や新カテゴリーへの参入などを背景に、売上高は年平均6.5%、営業利益は同35.7%増加した。
・安全性と成長性の観点で類似企業に比べ魅力的な水準にある。

3.非財務面の分析
・知的資本の源泉は、顧客志向に基づいた製品開発の蓄積にある

4.経営戦略の分析
・顧客層をクリエイターにまで拡大し、製品カテゴリーを広げることで、20/12 期に、売上高100 億円、営業利益7 億円を目指すとしている。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、18/12 期についてはイタリアの販売代理店の子会社化が計画よりもやや遅れたこと等を考慮し、売上高と営業利益は会社計画をやや下回ると予想した。一方、米国の法人税率の引下げを考慮すると、同社の営業外収支の想定は保守的と判断し、経常利益と当期純利益は会社計画を上回ると予想した。
・19/12 期以降は、競争力のある新製品の販売拡大等で営業利益率が上昇に向かうと考え、19/12 期は前期比19.9%営業増益、20/12 期は同15.2%営業増益を見込んでいる。
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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。