リファインバース<6531> 新工場の稼働トラブルを乗り越えた先の新規事業の本格立ち上がりに期待
廃棄物を資源化して循環型ものづくりを行う次世代型素材メーカー
新工場の稼働トラブルを乗り越えた先の新規事業の本格立ち上がりに期待
業種: サービス業
アナリスト: 藤野敬太
1.会社概要
・リファインバース(以下、同社)は、循環型ものづくりを行う素材メーカーで ある。廃棄物を原料としているため、製造販売機能だけでなく、廃棄物の 収集・処理機能を自社で有し、それぞれの事業で収益を上げている。
2.財務面の分析
・単体での業績開示だった 11/6 期~13/6 期の間に、再生樹脂製造事業 での再生素材の生産量が損益分岐点を上回るようになり、収益化した。 連結での業績開示となった 14/6 期以降は、生産量や処理量の増加によ る増収効果で収益性が改善し、連続増収増益で推移してきた。
・回収・処理・製造販売というリサイクルの仕組みを持って事業を行う上場 企業と比較すると、同社は成長性と収益性の財務指標では総じて他社を 上回っているが、安全性の指標は他社より低い。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、収益化に至るまでの約10年の間に蓄積され た、独自開発の技術力や循環型ものづくりのビジネスモデルについての ノウハウにある。それをもとに、少人数でも運用可能なプロセスが構築さ れ、顧客資産が蓄積していった。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、既存事業のカーペットリサイクルへの需要増への 対応、複数の新規リサイクルの事業開発を同時並行で推進できる体制の 構築、技術系を中心とした人材の強化が挙げられる。
・同社は、既存事業でのカーペットタイルの回収エリアの拡大、新規事業 立ち上げによる事業ポートフォリオの拡大、それを支えるための成長基 盤の強化を事業戦略としている。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、循環型ものづくりのビジネスモデルを強いも のにしている細部のポイントを、競争力の源泉として改めて評価する。
・成功事例となったカーペットリサイクルをベースとした新規事業の開発が 加速されていく局面を迎えるが、企業全体での事業ポートフォリオ管理、 プロジェクト管理の精度向上が求められよう。