フェニックスバイオ<6190> 北米事業が下ぶれ要因となったが、今後はKMT 社を絡めた北米の拡大戦略に期待

2018/02/09

創薬の前臨床試験のための PXB マウスを提供
北米事業が下ぶれ要因となったが、今後はKMT 社を絡めた北米の拡大戦略に期待

業種:サービス業
アナリスト:難波 剛

◆ 前臨床試験のための PXB マウスを提供している企業
・フェニックスバイオ(以下、同社)は、前臨床試験までの段階において、 創薬におけるヒトへの影響度の確認を行うための動物として、PXB マウ スと呼ばれるキメラマウスを提供している企業である。

◆ 18 年 3月期上期は 43.3%減収、226 百万円の営業赤字
・18/3 期第 2 四半期累計期間(以下、上期)の連結業績は、売上高 316 百万円(前期比 43.3%減)、営業損失 226 百万円と、10 月 17 日 に発表した下方修正の内容に沿ったものとなったが、下方修正前の 売上予想対比では、184 百万円未達と非常に厳しい内容であった。
・特に肝炎関連売上は、大手製薬企業が業績悪化を受け研究開発予算 を抜本的に見直したことにより、大規模な受託見込み案件を受注できな かった影響を大きくうけ、140 百万円(前期比 60.1%)となった。

◆ 18 年 3月期業績予想
・同社は、18/3 期の連結業績について、売上高 1,240 百万円(前期比 1.0%増)、営業利益 52 百万円(同 63.2%減)、経常利益 57 百万円(同 56.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益48百万円(同62.5%減) を見込んでいる。
・証券リサーチセンターでは、18/3 期の業績予想について、同社の上期 実績を考慮し、売上高 1,220 百万円(前期比 0.7%減)、営業利益 51 百 万円(同 64.4%減)、経常利益 55 百万円(同 58.3%減)、親会社株主に 帰属する当期純利益 47 百万円(同 62.9%増)へ下方修正した。

◆ 投資に際しての留意点
・同社は、損益分岐点売上高が高い一方で、限界利益率が高い為、計 画に対して売上高が上下にぶれた際の営業利益の変化幅が大きい。 加えて、KMT Hepatec, Inc.の買収により海外売上比率が更に高まるた め、為替変動が今後より大きな業績変動要因となる点にも留意が必要 である。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。